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憧れの旅館・ホテル

あさば 満天星

 

あさばの玄関の大暖簾は4種類ある。
夏の「波」の大暖簾は、今まで経験したことが無かった。
13回目の訪問で、初めて対面できた。

 

春の「水玉」。

 

夏の「波」。

 

秋の「月」。

 

冬の「市松」。

 

ロビーには涼しさの演出。

 

部屋は二階の「満天星」。
改装前に訪れたことがあり、今回は改装後の変化を見るのも楽しみであった。

 

定番の蕎麦茶と温泉饅頭ではなく、お煎茶と水饅頭であった。

 

中は粒餡。上品な味でとても美味しかった。

 

玄関から入って右側が主和室。
左手奥に見えるのはベッドルーム。
右奥はクローゼット。

 

クローゼットの中には浴衣のセット。
柄違いが二枚ずつ。

 

すっきりとした床の間、地袋の中にテレビ。

 

いかにも「あさば」といった掛け軸。

 

窓の向こうは裏山。
いつもながらガラスには曇りひとつない。

 

大きな鳥が羽を休めていた。
鷺とのこと。
池の鯉を狙っているのだろうか。

 

玄関から左手にあるベッドルーム。
右側はトイレのドアと内風呂の戸。

 

ベッドルームにも大型の薄型テレビ。
戸の向こうは玄関。

 

ベッドの横には冷蔵庫。

 

冷蔵庫の中身。

 

ここにもクローゼット。

 

パジャマが置いてあった。

 

左側は改装前のリビングルーム。天井の梁が特徴的。
右側は改装後。天井は低くなっている。

      

 

以前はリビングルームの半分が小上がりになっていて、そこに蒲団を敷いていた。

 

今はライティングデスクとチェア。
ひとつはロッキングチェアとオットマンであった。

 

(部屋風呂)

洗面脱衣所は変わっていないと思う。
左右は鏡。
ここの正面のガラスにも曇りひとつない。どうやって掃除するのだろうか。

 

上質のタオル類である。
洗濯後の乾燥も素晴らしい。
新品のような感触が保たれている。

 

前回の訪問時(山吹)では、BVLGARIであったが。

 

相方のお気に入りで、大喜びしていた。

 

清潔感溢れた部屋風呂。
出てくる温泉は、かなり熱め。

 

トイレは広々としている。
便器は蓋がリモコンで開閉できる代物。
宿や、特にレストランなどは、これにすべきだと思う。
身も知らぬ客が使用した後に、素手で便座を上げさせる感性は理解できない。

 

風呂上がり、いつものようにサロンでシャンパンを。
しかしこの時期は、夕食までに日は落ちなかった。
そのかわり、ヒグラシの鳴き声を聞くことができた。

 

(夕食)

名物「穴子黒米ずし」は、このところずっと断っている。
食事が始まった頃、ヒグラシが盛んに鳴いていた。
ヒグラシの鳴き声をBGMに食事、半水盧以来の感激である。

 

食前酒は定番の修善寺「萬燿」。

 

食中酒は「鄙願」。

 

焼いた胡麻豆腐は河豚の白子の食感。
醤油は濃い目であったが、あっさりとした胡麻豆腐との相性は抜群。
混然一体となり口の中に拡がる。

 

甘い、甘いとうもろこし。

 

白身魚と夏野菜の煮こごり・焼き無花果・丸十・才巻き海老・穴子の柳川もどき・真ん中は軍鶏のつくね。
どれも繊細な味である。
素材の良さをそのまま活かす八寸は、八泉のそれを彷彿させる。
地場の食材と引き算の調理、京料理の感性そのものだと思う。

 

八十万円の純銀製の鍋。
最近さらに価格が急騰したとのこと。

 

昆布出汁優位の薄味出汁。
白葱も充分甘く、心からマッタリできる汁物であった。

 

残っていた出汁汁を、二人ともお代わりした。

 

季節柄か、刺身は甘さ不足。

 

これは二人分。

 

骨まで食べることのできる若鮎であったが、香りが不足。
蓼酢は酸味が強く、蓼の癖を抑えてあった。
普段は蓼酢をつけないが、今回の鮎はつけたほうが美味しくなった。

 

鰹出汁と酢橘の加減が絶妙。
優しい味は、あさばの真骨頂。

 

普通は揚げ物になるのだが、ここでの揚げ物は腹に応えるので、いつも替えてもらっている。
煮汁も美味しかった。

 

三島とは、三島コロッケからとったもの。
メークインをコロッケの具のように調理してある。
とても甘く、美味しかった。
もっちりとした食感もとても良い。

 

南京は素晴らしく甘く、焼万願寺も品の良い味であった。
この時期の野菜は本当に甘い。
魚の不出来を野菜が充分にカバーしていた。

 

塩焼きの鯵はいまいちであったが、この鮎御飯は充分美味しかった。
大葉のアクセントが抜群。
空腹なら、何杯もお代わりをしたいくらいであった。

 

赤出汁の具は、じゅんさい。
味噌加減は、かなり薄味。
濃い味好みの客には物足りないであろう。

 

定番のブラマンジェ。
これを食べるのも、楽しみのひとつ。

 

緑は万願寺。
確かに万願寺の香りがした。なかなかの味であった。
白は定番のグランマニエ。
ジェラート風のアイスクリームは、お腹に優しい。

 

一服した後、サロンでコーヒー。
豆から挽いてくれる。

 

ここのコーヒーは、旅館の物としては俵屋と双壁。
本当に美味しい。

 

(寝具)

マットはシモンズ。
リネンの肌触りが少しゴワゴワしていた。

 

着心地の良いパジャマ。

 

(朝食)

今年も定番の椎茸は出なかった。

 

 

茄子と胡麻餡。
これは抜群に美味しかった。

 

この鯵の干物は塩加減が強すぎ。

 

定番の出汁巻き。
本当に優しい味付けであり、あさばを象徴する味である。
この時期にしては辛くない大根。

 

西瓜は甘み不足。
あさばの果物にしては珍しく不出来。

 

温かい、おしるこ。
この時期は冷たいほうが良いと思う。

 

 

(感想)

「あさば」に対して不満なところは「隙がなさすぎる」ということであろうか。
それから最近、部屋係のスタッフの入れ替わりが激しいようにも感じる。
「俵屋」の、あの家族的なホスピタリティが「あさば」にあれば、本当に素晴らしい宿になると思うのだが。

 

平成24年7月下旬訪問