made by Abitaro                           back to toppage

Wellcome to My Homepage!!

憧れの旅館・ホテル

フォーシーズンズ・ジョルジュサンク

 

旅行おたくの私にとって、航空会社の株主優待券とクレジットカード (旅館によってはダブルマイルポイントが付くという美味しい特典がある) は欠かすことのできない代物である。しかし、さて貯まったマイルポイントを国内特典航空券に換えようとしても、週末旅行者にとって特典航空券はプラチナペーパーなのである。使えないマイルポイントがどんどん貯まっていくが、有効期限があるのでいつかは使わざるをえない。そこで数年に一度、マイルポイント消費海外旅行を企てる。前回の消費旅行からちょうど5年振りである。
特典航空券が獲得できそうな時期に仕事を長期間休むことは至難の業なので (だからゆえに獲得できるのだが・・・) 往復の移動時間をできるだけ節約するために我が居住地から直行便の出ている海外の都市を選択しなければならない。
自動的に場所が決まってきてしまう。前回はパリ、今回もパリである。パリは何回行っても楽しい町であるので異存はないが、いつかは違う都市に行ってみたいものだ。

 

JALの機内食が京都料理芽生会という若手料理人の監修でレベルアップしているという新聞記事を見て秘かに楽しみにしていた。

食前酒、まずはシャンパン。 先付はキノコとトマトのマリネ。どおってことはない。

  

その後の流れもやはり機内食である。鯛の酒蒸しなどはがっかりであった。料亭・割烹の味と比較するのが無理と言うもの。機内食としては頑張っているな、と思うべきなのだろう。

一眠りして「お好きなときにどうぞ」を頼む。洋定食を注文した。こちらの方が旨いと思ったが、要するに期待値の問題なのだろう。

 

 

シャルル・ド・ゴール空港からタクシーで30分余り、めざすホテルに着いた。憧れのフォーシーズンズ・ジョルジュサンクである。プラザ・アテネと迷ったが、椿山荘や丸の内と比較してみたいという思いもありフォーシーズンズに決めた。

  

ドアマンに荷物を示しホテルに入る。さほど広さは感じないが大理石造りの豪華なロビーであった。右手がコンシェルジェ・デスク、左手がレセプション・デスクである。チェックインの手続きをしているとフロントマンが巻き舌の英語で何やらいっている。どうも部屋をアップグレードしてくれるらしい。プレミアムルームにしてくれるというのである。ただ掃除にもう少しかかるので、サロンでお茶でも飲んでいてくれと言っているようだ。

  

  

中庭を見渡せる素敵なサロンでコーヒーを飲んでのんびりしていると、女性スタッフがやってきて部屋まで案内してくれた。 迷路のような廊下を進み部屋に着いた。

  

  

ドアを開けるとすぐ左手がバスルーム、右手に細長い通路がありベッドルームに繋がる。通路の壁は大収納のクローゼットスペースとなっていた。ベッドルームは広々としており、どこか椿山荘の部屋と雰囲気が似ていた。椿山荘の部屋が 60 uであったがそれよりも広く思えた。椿山荘の家具が部屋の広さにマッチしていないと感じたが、ここは良くまとまっていた。ソファーなどひとつひとつの家具が大きいのであろう、使い勝手も凄く良かった。ソファーに寝転がってテレビを視たり本を読んだりすることも、とても心地良かった。ライティングデスクも使い勝手が良く、とってつけたような代物が多いホテルとは根本的に違っていた。

  

湯沸かし器と日本茶のティーバッグも用意されていた。しかし茶器があまりにデザインぽく、使い勝手が悪いのが残念であった。冷蔵庫の中のドリンク類やお菓子は有料。

  

窓からの眺めは非常に悪く残念であった。見えるものは薄汚い脇道と隣のアパルトマンの小汚い部屋であった。グレードは低いが眺めの良い部屋とどちらが良かったか・・・・ しかし部屋の使い勝手は非常に満足であった。

  

  

バスルームはビデ付きの個室トイレ(残念ながらシャワートイレではない)とシャワーブース、ゆったりとしたバスタブ、シングルながら大きめのベイシン、ここも使い勝手がとても良い。
外国旅行をする時に、言葉の問題はもちろんであるが、トイレの問題が大きく妨げとなる。シャワートイレを使い始めて 20 数年、これでないと一日が落ち着かなくなってしまった。国内旅行優先になった最大の理由である。外国の都市のホテルがシャワートイレを採用すれば、ためらいなくそこを選ぶのだが。
アメニティはブルガリ、それも 75ml サイズのものが惜しげもなく補給されてきた。相方は大喜びで使っていた。上質の大判タオルも惜しげもなく補給されていた。良い香りがしていた。歯磨セットきは置いてなかった。

 

(夕食)

到着日の夕食はのんびりとメインダイニングのル・サンクで。最初にお茶を飲んだサロンの奥にある。素晴らしい内装である。ドレスコード・フォーマルであるが、そうでないと雰囲気を壊す。

食前酒にシャンパン。銘柄は忘れたが、美味しいものはやっぱり美味しい。
写真を撮っても良いかと尋ねたところ、気にせずにどんどん撮れとの回答。フラッシュは遠慮すると言ったらフラッシュも構わないとのことであったが、さすがにそれは遠慮した。他の客には迷惑に違いない。

  

  

  

  

アミューズは二品、生ハムと烏賊のクリーム煮。美味しかった。
ワインはグラスでお薦めのものにしたが、これがとんでもなく美味しかった。ソムリエに頼んで写真を撮らせてもらった。アルザス・グラン・クリュ・リースリングであった。ワインのことは良くわからないが、「美味しいワインは本当に美味しい」と思える代物であった。
オードブルからメインの魚まで本当に軽いソースであった。軽く泡立てたソースであり、これが最近の主流なのであろうか。
しかし全体に塩味が強かったのはどうしたことなのだろう。基本的に塩味の好きな私でも塩辛いと感じた。素材の味を殺すほどに・・・
しかしデザートになると一転して甘い。昔から変わらず甘すぎる。メイン料理のソースを軽くして身体に良いものをと考えても、このデザートでは台無しではないか。

  

これは相方が注文したオードブルと右の写真は定番の海老のフリカッセ。

  

デザートはチョコレートムース、これもくどかったようだ。その上、キャラメルやヌガーやナッツチョコを薦める。とてもじゃないが食べられない、断ると部屋に持って帰れとテーブルに置いていった。チーズはとても食べる余裕はなかった。日本人は食べられないと認識しているのだろうか、特には薦められなかった。こちらのチーズ、本当は食べたかったのだが・・・
味に関しては 5 年前に宿泊したロワイヤルモンソーのメインダイニング「ル・ジャルダン」のほうが好みの味であった。ミシュランの評価ではル・ジャルダン(☆)に対してル・サンク(☆☆☆⇒☆☆)である。もっともこの評価は味だけでなく他の要素も含まれているのであるが。ル・サンクのサービスは素晴らしかった。片言の日本語も使い、遠来の客を少しでも楽しませようとする気持ちが溢れていた。
嬉しかったのは、パンを食べている時に「おしぼり」が でてきたこと。特にクロワッサンなど油っぽいペイストリーでは指がベタベタしてくる。
以前、PH東京のジランドールでことのほかベタベタしたクロワッサンを食べて苦労した記憶がある。 ホテル側はこれで平気なのだろうかと疑問に思ったが、さすがである。本物のサービスとはこのようなことを言うのだと思う。


しばらくするとほとんどのテーブルが客で埋まっていた。大半の客はダークスーツの男性と黒のワンピースに光り物のアクセサリーを身に付けた女性のカップルかグループ。煌びやかな装いというよりもシックな雰囲気であった。
素晴らしいフレンチレストランの雰囲気は客とスタッフが一体となって作り上げるものだと、心から感じた。

 

(寝具)

  

部屋へ戻ると、ターンダウンされてあり、寝巻用に浴衣が用意されてあった。
ベッドはやや柔らかめであったが、なかなかの寝心地であった。リネン類はまずまずの質であった。

 

(朝食)

アメリカンブレックファストのB&Bであった。 場所は夕食と同じル・サンク。

  

  

フレッシュジュースはラズベリーがお薦め。確かに美味しかった。チェリーケーキのアミューズが付く。パンやバター類も素晴らしく美味しい。残念だったのは、卵料理が美味しくなかったこと。卵自体の味も良くないのだろうか、私の好きなホテル朝食御三家(レ・セゾン、オーキッドルーム、レペトア)の卵料理のほうが美味しいと断言できる。

これは相方が注文したポーチドエッグ、硬い黄身であった。

二回目の朝食、和朝食を頼んだら飯を炊くので時間がかかるとのこと、残念ながらあきらめた。その時、数組の東洋人らしいグループ客を見かけ、隣の老夫婦は和朝食を食べていた。用意した分が無くなってしまったのかもしれない。申し訳ないとフルーツサラダ(卵料理との選択)をサービスしてくれた。そして「明日は食べに来てくれ」と・・・

 

(接客)

これは本当に素晴らしい。アットホームであり、かつ隙がない。サービスのなんたるかを知り尽くしているようである。「ボンジュウ」・「ボンソワ」・「メルシー」、これらの言葉を交わすだけで溢れんばかりの笑顔が返ってくる。 もっと言葉ができれば、もっともっと楽しいと思うのだが。
日本のホテルもこうなれば、と思う。

 

(感想)

本当に素晴らしいホテルだと思うが、ユーロ高をひしひしと感じた宿でもあった。
この値段なら、このくらいは当然だと・・・・

 

 

(ダロワイヨ)

  

私はケーキのなかでも、オペラは大好きなひとつである。オペラ発祥の地、ダロワイヨを訪ねた。最高のオペラであった。銀座にも店があるらしい。東京へ行った時には是非訪れてみよう。

   

隣のテーブルには老婦人と飼犬がいた。とても可愛い犬で、おとなしくすわっていた。微笑みかけると、こちらを見つめ、しばらくすると寄ってきた。撫でてやると嬉しそうにしていた。老婦人もにこやかにこちらを眺めていた。

チェイルリー広場の木々は、もう落葉の気配であった。日本と違い秋の長い気候、お洒落をするにはもってこいである。亜熱帯と化し、お洒落をする気持ちも無くなってきた日本を思うと羨ましいかぎりであった。
突然の雨で午後予定していたルーブルをやめ、ホテルへ戻ってバスに浸かり、のんびりとNHK国際放送を楽しんだ。福田総裁誕生のニュースばかりであった。

 

 

(ムーラン・ルージュ)

夜はディナー付ショーである。 28 年振りのムーラン・ルージュ、記憶と変わっていなかった。前回はバトー・ムッシュー後のドリンクショーであったので料理の程度がわからなかった。場所があの悪名高きピガール広場周辺ということで送迎付のコースを予約したのだが、料理は一番下のグレードしかなかった。

Menu de Moulin Rouge

●  いずれも 1 / 2 ボトルのシャンパン付です。

(オードブル)
殻付きエスカルゴ、ハーブとアニスバター風味
      または、
拍子木切の野菜スープ
      または、
鶏肉のパイ皮包みのパテ、パセリのジェレ
***
(メインディッシュ)
海マスとポワロー葱の鉄板焼き、ポテトソース
      または、
伝統的な仔牛のクリーム煮、ピラフ添え
***
(デザート)
ブルボンバニラのミルフィーユ
      または、
バニラとシャンティクリームのアイスクリーム

 

最低の料理であった。学生食堂の定食より酷いのではないか。半分以上残してしまった。
ショーは素晴らしかった。素晴らしいスタイルの踊り子達の迫力ある踊り。衣装や振り付けは正にフランスという雰囲気。粋でお洒落であった。
前回訪れたのは「リド」。料理はリドのほうがマシであったが、ショーはこちらのほうが数段素晴らしい。幕間のジャグリング、アクロバット、腹話術、それぞれ素晴らしく、充分楽しませてくれた。 時間の過ぎるのがあっという間であった。
ただ客を詰め込むので場所によっては見づらい。
ショーがはねると外には長蛇の行列ができていた。ドリンクのみのセカンドショーの客達である。 それにしても中国人と思しき客の多さには驚いた。
団体行動でバスに戻り、順々にホテルへ送ってもらった。我々のホテルに着いた時には夜の 12 時を回ろうとしていた。

2007年9月訪問