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憧れの旅館・ホテル

銀鱗荘

 

小樽の町外れの高台、平磯岬の頂上に銀鱗荘がある。治6年に余市の大網元の邸宅(鰊御殿)として建てられ、昭和初期に現在の場所に移築されたものである。

 

 

当時の面影をそのまま残す本館の他に昨年新館が完成した。
本館の隣には魚網倉庫を改装した「グリル銀鱗荘」もある。

 

 

本館の屋上には望楼と呼ばれる櫓があり,上に登ると360度の展望が楽しめる。
そこへ登る階段が昔のままのものであり、とてつもなく急勾配であった。


  

 

タクシーが宿に着くと玄関先で法被を着た男衆が出迎え荷物を預かってくれる。玄関を入ると和服姿の女性が部屋まで案内し、お茶とお菓子を出してくれた。
そこで宿帳を記入するが、その女性と部屋係の女性は別であった。
部屋は、新館4階の「桂」。
12〜3畳の和室と6畳ほどの広さの畳敷き広縁からなる。広縁には三点セットが置いてあった。

 

 

 

そこからの小樽市街や石狩湾の眺めが素晴らしい。

 

  

 

(部屋風呂)

部屋風呂は御影石造りの広々とした浴槽で数人が一度に入れるくらいの広さであった。
ここからの眺めも素晴らしく、朝早く起きれば日の出も楽しめる。

 

 

お湯は滞在中出しっぱなしであるが循環ろ過式であった。
脱衣所も広々としている。洗面台はダブルシンクであり、タオル類は豊富に置いてあった。トイレもゆったりとしていた。

 

 

(応対)

とても丁寧な応対であるが、昔ながらの旅館の感が拭えない。どちらかというと男性本位の応対である。

 

(大浴場と露天風呂)

大浴場は御影石造りの浴槽であるが、取り立てて特徴のあるものではない。

 

 

露天風呂はここのウリである。岩造りの大きなものを三つに仕切ってあり、真ん中が 「で逢いの湯」 と称し混浴となっている。
石狩湾の眺めが素晴らしく、時間を忘れる露天風呂であった。

 

 

(夕食)

基本的に部屋食であるが、「親方の部屋」と呼ばれる大きな神棚が祭ってある部屋が用意できるとのこと、面白そうなので勧めに応じることにした。
もともとは玄関から通ずる大広間なのであろう、襖で仕切ってあった。確かに立派な神棚だ。思わず柏手を打ってしまった。

 

 

料理は懐石というよりは海鮮風郷土料理という感じである。
北海道の素晴らしい食材を昔ながらの基本に忠実に、また丁寧に調理してあった。特に名物の「鰊鎌倉焼」は、なかなかのものであり、「とうきび」も路地ものが出回ってきて、素晴らしい甘さであった。

 

 

 

 



 

 

 

 

(寝具)

綿の敷布団二枚重ね。高級旅館としては標準的なものであった。
リネン類も標準的。

 

(朝食)

食堂のような食事所で食べたため、写真を撮ることができなかった。

献立は
だしまき玉子・しゃけの糟漬・冷奴・揚げ出し豆腐・烏賊刺し・納豆・筋子・焼海苔・アスパラ&トマト・漬物、それに、蜆の味噌汁であった。


北海道には、「味噌汁の文化」が無いのであろうか、いまだかつて北海道で旨い味噌汁にありついたためしがない。

 

 

(感想)

一言でいえば「昔風の高級旅館」だと思います。まだまだ団体客で賑わう旅館の趣から脱しきれていないのではないでしょうか。
個人客は宿での時間を大切にします。朝も充分時間が欲しいものです。のんびり朝風呂に浸かり、朝ご飯を味わい、食後のコーヒータイムをゆっくり楽しむ。そのためには、チェックアウトタイムが10時では忙し過ぎます。
現在、人気のある宿は殆んどが11時のチェックアウトタイムになっていると思います。
ハードとしては素晴らしいものがあります。ソフトに現代風の感性があれば、もっともっと素晴らしい宿になると思いました。
北海道にも個人客を対象とする宿が増えてきつつあります。行ってみたいと思う宿もいくつかあります。
幾分遅れていると思われる北海道の「宿文化」、今後どう進歩していくか楽しみです。

2005年8月末訪問

銀鱗荘 の予約の際の参考に