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憧れの旅館・ホテル

箱根吟遊

 

天候に恵まれ東名高速を快適に走って予想より早く宮ノ下に着いた。 いつもの癖が出て、富士屋ホテルに立ち寄ることにした。駐車場は満杯、別館菊華荘の駐車場へ行けとの指示に従ったものの、そこも満杯であった。仕方なく奥へ入り込むと従業員駐車場と思しき場所に一台分の空きがあったので、後先考えずに停めた。
ホテル内は、団体客のチェックイン?(14時頃)で大混雑であった。賑やか過ぎて落ち着かない。
ティーラウンジ・オーキッドでケーキセットを頼んだ。

強気の価格設定であったが、味は価格に見合わないものであった。
両方のケーキとも古き良き時代の味であった。コーヒーも、ホテルの味ではなかった。

 

箱根吟遊は国道から少し入ったところにある。
正面に車を停めても誰も出てこない。しばらくして車を降り、わかりにくい玄関を探していると、中から女性が駆け出してきた。
そのあとに続いて出てきた男性スタッフに車のキーを渡し、建物の中へ入った。

玄関で靴を脱ぎ、すぐそばのフロントデスクで宿帳に記入する。
そこは、あまりにも有名なロビーであった。
琉球畳が織り成す市松模様、光線の芸術としか表現のしようがない。

 

夜にはライトアップの加減で、違った雰囲気を見せてくれる。

 

宿帳を記入した後ラウンジへ案内されたが、先客が数組いたのでテラス席に座った。

そこでウェルカムドリンクのサービスがあった。 チェリー味の、一風変わったハーブビネガーティーであった。

 

一服した後、女性スタッフが部屋へ案内してくれた。フロント係の女性で、部屋係のスタッフとは違っていた。
この宿は玄関が5階になっており、客室はエレベーターで下へ降りていく。

館内の廊下は畳敷きで、素足に気持ちが良い。 しかしとても暗かった。

部屋へ入るとお茶とお菓子がでたが、ケーキを食べてきた直後なのでお茶だけにした。

部屋は3階の「北斗」。

和室は10畳。ブラウン管のテレビが備え付けられてある。
形ばかりの床の間の横の押入れはクローゼットとなっている。
あまり使い勝手の良い部屋ではなかったので、寝室となっただけであった。
所々の宿で見かけるが、座椅子の置いていない和室は使いようがない。

 

和室からはダイニング、広縁へと続いている。

 

ダイニングには堀炬燵式のダイニングテーブルがあり、薄型のテレビ、CDデスクもある。 座椅子の後ろに脚が突き出ているので、そこに何度か蹴躓いてしまった。寄る年波には勝てない。
片隅には小さな三点セットが置かれているが、これが結構役に立った。

 

部屋の入り口の踏み込みには水屋があり、お茶のセットや冷蔵庫が置かれてある。 冷蔵庫の中に、「箱根献上ビール」というのがあった。結構な値段であったが試してみた。

風呂上りにデッキのソファに座って外の景色を眺めながら飲んだが、なかなか飲みやすいビールであった。

 

夕焼けを期待したのだが、空振りに終わってしまった。

 

洗面所はダブルシンク。このようなシンクは好みではないのだが、予想外に排水が良く不満は感じなかった。

 

デッキには石造りの露天風呂がある。
大人数人でも入れるような大きさであった。お湯の注ぎ口の下部に水を注ぎ入れるノブがあり、湯加減を調節できるようになっている。
洗面所との間にはシャワールームがある。

湯に浸かりながらの眺めもとても良い。

夜も風情がある。
丁度入浴中、漆黒の対岸にヘッドライトの灯りと思えるものが走った。
「あの山の中に、どんな道があるのだろうか?」 想像心を掻き立てられた。

 

(大浴場)

「月代」と「月音」と名前の付いた浴室が時間で男女交代となる。20時に交代であった。
まずは「月代」が男性用であった。

ここは内湯がなく、洗い場とサウナと二つの露天風呂からなる。
この露天風呂は浴槽の縁に工夫がなされてあり、景色と湯面が一体に感じる。
素晴らしい眺めの風呂なのであるが、なぜか長湯をしたいというお湯ではなかった。

桧の浴槽であった。眺めは良くない。

 

翌朝、もう一方の「月音」に入った。
ここは内湯があるが、露天風呂の眺めは「月代」ほどではない。しかしジャクジーであった。

 

(夕食)

酒は 「吟遊粋」 と 「天法 大吟醸」 を選んだ。 「天法」 は酒の味が強く、「吟遊粋」 のほうが飲みやすく美味しかった。
食前酒は味のボケたモーゼルであった。

 

 

先付・旬菜で、その後の味が予想できた。実際、その予想通りの味であった。
とにかく量が多かった。後からガーデンラウンジへ行こうと酒の量を減らしたにも拘わらず、食後、腹が苦しく横になってしまった。気がついたら23時過ぎになっていた。

 

 

 

ヒマラヤの岩塩でも食べることができるようになっている。

「白米&じゃこ」か「松茸御飯」の選択である。
じゃこ御飯のほうが好みであった。

 

 

水菓子は評判ほどではなかった。

 

(寝具)

浴衣と作務衣が用意されてあった。 どちらかを寝巻きにする。

敷き布団は薄いウレタン系のマット1枚であった。
押入れの中に予備のマットがあったので無断借用し2枚組にした。今度は少しフワフワしすぎたが、そこそこの寝心地になった。 リネン類はまずまずの肌触りであった。

 

(朝食)

和食と洋食の選択ができる。
それぞれ頼んで味見をした。食べやすく、なかなかの朝食であった。
結論から言うと、和食の方が美味しかったかもしれない。

 

和食

おかずの種類が多過ぎると思う。種類を絞ったほうが、じっくりと食べることができる。
お粥となっていたが、希望すれば御飯も出る。

 

 

洋食

最初に出るオレンジジュースはなかなか美味しかった。
パン類があまり美味しくなかった。
オムレツの味は普通。
洋食にはコーヒーか紅茶がついているが、後からコーヒーを飲みに行くため紅茶を選択した。

 

 

 

 

展望バーカウンター「忘憂」で飲んだ。
味はまずまずであった。

 

(応対)

若い女性スタッフが多い。皆よく教育されていて、とても感じが良かった。 部屋係の女性も若く、明るくはきはきとしていて、甲斐甲斐しく世話をしてくれた。こういうことも天性のものがあると思う。
とても良い接客だと思う。

 

(感想)

不満な点もいくつかありましたが、宿泊料金を考えると頑張っている宿ではないでしょうか。 建物・備品などのハードの維持、大浴場のタオル類の豊富さ等々、感心します。
食事は残念ながら「本物の味」ではありませんが、コストを考えたら無理なのでしょう。むしろ、良くやっていると言えるかもしれません。

館内に良い香りがかすかに漂っていました。匂いの管理をきっちりやっているのかなと思いましたが、聞いてみるとエステサロンからでるアロマオイルの香りではないかということでした。これが館内の雰囲気をさらに良くしているのではないでしょうか。

お湯・食事・寝具の三大要素に関して私としては合格点を出せませんが、それを補って余りある「眺望の素晴らしさ」・「接客の良さ」がありました。
予約が取れない宿である訳、充分納得がいく宿でした。

2008年9月下旬訪問