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憧れの旅館・ホテル
強羅天翠
高速道を順調に走り、御殿場ICで降り乙女トンネルを抜けたら車の外気温表示が26度になっていた。我が家を出た時は36度となっていたので、10度も低いことになる。
138号線から強羅方面への道に入ると、初めて運転する者にとっては驚きの葛折れ道であった。
強羅駅のすぐ裏手に目指す強羅天翠の建物があった。道路上には二人の黒服が待ち構えており、一人が車を預かり、もう一人が荷物を持って案内してくれた。
外観は何の変哲も無い建物であるが、ウッドフェンスと生垣で作られたアプローチを通って玄関を一歩入ると、とても洒落た雰囲気のフロントロビーであった。
窓際に大きくラウンジが作られてあり、そこは足湯となっていた。
最初にウェルカムドリンクから始まる。アルコールでもソフトドリンクでも何でもありであった。シャンパンを頼んだ。
大きな窓からは明星ヶ岳と山頂付近の大の字がはっきりと見えた。
しばらくすると女将がやってきて館内の案内や夕食の時間などを決めた。その後女性用の浴衣を選び、男性スタッフが部屋まで案内してくれた。
浴衣はサイズが大きめで八つ口もなく、おはしょりをするのも難しかった。帯もきちんとしたものはなく簡単なニットの紐であったので、おかしな着こなしとなってしまう。柄の種類も少なく、単なるパフォーマンスとしか思えない。せめて帯くらい用意してはどうだろうか。
きちんと着ないとみっともないと感じる客もいるのでと思うのだが。
部屋は3階の翠星。
12畳程の琉球畳の和室と4畳程のリビングスペースからなる。
リビングには大型の薄型テレビが置かれていて、その下には小型の冷蔵庫があった。
洗面所はシングルシンクであったが、アメニティグッズは女性が好みそうな物が用意されてあった。加熱式のタオル掛けがあったのは嬉しい。
内風呂は無いがシャワーブースがあった。籐の籠の中には バスローブが用意されていた。
ベランダには陶器製の浴槽と、ルームエステにでも使うのであろうか籐のベッド様のものがあった。
ベランダからの眺めは明星ヶ岳などの箱根外輪山が良く見渡せる。開放感溢れ、なかなかの眺望である。
しかしフェンス際までいって下を見るとすぐ傍まで民家が迫っていた。プライバシーが侵害される心配はなさそうである。
(部屋露天風呂)
大人二人が入るにはやや狭い。浴槽からの目線では外の眺めは楽しめない。
お湯は酸化還元水とのこと、言われてみれば気のせいかどことなく肌触りが良い。暗示にかかったのかもしれないが。湯加減は適温になっていた。
夜は灯りがともっていて、のんびりと入ることができた。
(大浴場と露天風呂)
地下1階にある。洗面所に整髪料などの用意は無かった。 婦人用の洗面所も同様に何も無かったそうである。ケチりすぎではなかろうか。
大浴場は、部屋露天と同じく酸化還元水とのこと。浴槽は石造りで桧の縁である。 片隅に小さなサウナがあった。
露天風呂は源泉掛け流しの温泉であり、白濁したお湯であった。眺めは悪い。
(夕食)
二階の個室で食べる。
隣室とはパーテイションで仕切ってあるだけで声が良く聞こえた。
正統的な懐石料理ではなく、創作和風料理といったところか。
本格的な味付けとは思えず、料理を楽しもうと思うと不満が残る。椀物の出し味も深みを感じない。 しかし、酒を楽しむための料理と思えば実に上手くできている。
一品一品、あっさりとした味で変な癖も無く、日本酒との相性がすこぶる良い。塩で食した造りも実に酒に合う。
日本酒もなかなか美味しいものが揃っていた。酒を楽しみながら食べるには量もちょうど良かった。
(バー)
ロビーのラウンジが足湯バーになる。足湯になっているのは半分のスペースであった。
夏には足湯は暑いかもしれない。チェックイン時もそうだったが、途中から足をお湯から出していた。
ライトを上手に使っていて、とてもお洒落な雰囲気である。カクテルも豊富に揃っていて、外観だけでなく中身も本格的なバーであった。
窓に映っていたのは、二階の廊下の柵とバーの天井の木で合成されたシルエットである。ピアノの鍵盤にそっくりであった。偶然かどうか尋ねたら、計算して作ったとのことだった。しかし気付く客はあまりいないと言っていた。
(寝具)
ウレタン系マットと綿敷き布団の二枚組。寝心地は普通であった。リネン類も普通。
パジャマが用意されていたが小さめであった。浴衣の他に作務衣も用意されていたが、なかなか着心地の良いものであった。作務衣を着慣れた者にとってはとても嬉しいことである。
(朝食)
1階のダイニングで食べる。
絞りたてのオレンジジュースがでたが、とても美味しかった。朝食は極普通のもの。アルコールのない朝食では物足らない味。
デザートとコーヒーはラウンジに移った。足湯は無かった。
コーヒーは手動のミルで豆をひいて入れてくれた。
(応対)
男性スタッフが多かった。女性で見かけたのは、女将と料理のホールスタッフ一人であった。全般に都会風の洗練された応対であった。
(感想)
ちょっとばかりお洒落で洗練された宿だと思います。客を喜ばすノウハウを知っているのだろうと感じますが、一方で手を抜いていると思える所も見受けられました。
肩肘張って泊まるのではなく、軽いノリで楽しむ宿ではないでしょうか。
それからお酒の苦手な客には、楽しさ半減かもしれません。
良くも悪くも都会の宿といった雰囲気のような感じがしました。
2007年8月下旬訪問