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憧れの旅館・ホテル

鄙の座

 

北海道シリーズ第二弾は阿寒湖温泉である。
釧路空港からレンタカーでおよそ1時間の距離。車の往来もわずかで、ゆるやかに山道を登っていく。とても快適なドライブであった。北海道の風景は本当に心を和ませる、心を豊かにしてくれるというと少し言い過ぎかもしれないが。

 

予想外だったのは鄙の座が本館鶴雅とかなり離れた距離にあったことだった。スタッフの話では歩いて10分以上離れているとのことだった。
建物はなんの変哲も無い鉄筋のものであるが、湖側から見ると特別室・Aタイプの部屋の露天風呂等、位置関係が良くわかる。

  

レンタカーを車止めに止めると男衆がすぐさ寄ってきてキーと車を預かってくれた。別の男衆が荷物を持って中まで案内してくれた。

  

玄関の戸が開くと、大きく羽を広げた梟が迎えてくれる。これが別世界への誘いであろうか。

  

エントランスではスタッフ数人が平伏して迎えてくれるといった感であるが、これは少しやりすぎではないかと思った。ここで靴を脱ぎ素足のまま(素足でもとても心地よい)アイヌ文化を現代風にアレンジしたと思えるロビーに案内され一服。

  

飲み物(柚子ジュース)とお菓子(ミルクプリン)がでた。とても美味しかった。後の料理が期待できる味だった。そして浴衣を選び、部屋へ案内された。

  

廊下は和風の造りで畳敷きであった。

  

部屋は三階の「山藤」である。
10畳程の和室、ツインベッドルーム、リビングからなり、その他シャワールームや半露天風呂もある。

  

  

窓からの眺めは阿寒湖が見渡すことができ素晴らしいものであったが、3階のせいか湖畔を歩く人々が真近に感じられ、逆に見られてしまうのではと思った。

  

部屋の備品としては、マッサージチェアがあったが性能はあまり良くなかった。はっきりいって安物。飲み物は充実していた。コーラ、スポーツドリンク、ペットボトルのお茶やミネラルウォーターは無料であり、コーヒーやお茶のセットも充分用意されてあった。しかしアルコール類は別の冷蔵庫が用意され有料であった。

  

    

CD コンポも備え付けられてあり CD も4枚ほど置いてあったが、リビングルームの椅子の背もたれが木製であり座り心地が極めて悪かったので、せっかくの楽しみが半滅であった。デザインより座り心地を重視して欲しい。見てくれが悪くとも座り心地が本当に良い椅子は、宿側の思いが充分に伝わるものである。

 

(応対)

とても丁重な応対である。ある意味文句の付けようがない。とても訓練されていると思う。慇懃無礼さは微塵もなく、素朴な中に格調の高さを感じた。しいて難をあげれば、少し崩せばよりアットホームな雰囲気がでるのだが、しかしそれは求めすぎかもしれない。

 

(大浴場)

6階と7階にあり時間で男女交代となる。
7階には露天風呂があり、阿寒湖の眺めを楽しむことが出来る。

  

6階には露天風呂はないが寝湯ができる。両者とも岩盤浴の設備がある。タオル類は上質なものが豊富に置いてある。

  

 

(部屋風呂)

アメニティグッズの豊富な洗面所、シャワールーム、大人3人がゆったりと入れるくらいの半露天風呂、掛け流しである。

  

御影石の浴槽に檜の縁、阿寒湖の眺めも楽しむことができ素晴らしい部屋風呂であった。ふやけてしまうくらい利用した。

 

(夕食)

部屋出しであった。部屋から夕暮れどきの湖を眺めながらの食事で、雰囲気はとても良かった。やはり部屋で食べるのは落ち着く。
3階の部屋は部屋出しのリクエストができる。

 
  料理は典型的な海鮮郷土料理であった。これまで北海道では○○産と銘打った食材があちこちで供されたが、ここの物はまごうことなく本物だと思った。魚介も肉も野菜も北海道の最高の食材が使われ、その良さを損なうことなく調理されていたと思う。懐石料理の繊細さはないが、新鮮な極上の素材からできる出汁の味、メリハリの効いた素晴らしい出汁だと思った。デザートも専属のパティシエが作ったもので、なかなかの出来映えであった。残念だったのは果物の甘さが今ひとつ足りなかったことである。本当に美味しい果物は滅多にお目にかかれない。コーヒーの味は満足。カップもお気に入りのベッキオホワイト、ただデミタスであったのが少し残念。
酒類は豊富であった。今回は北海道の地酒から鳳雪大吟醸と国士無双大吟醸を選んだが、なかなか口当たりの良いすっきりした酒であった。

 

 

  

  

  

  

  

  

  

 

(座・ BAR )

雰囲気の良い落ち着いた感じのバーであった。 バーテンダーの接客も素晴らしく、楽しい時間を過ごせた。最初は一人であったが、途中からはカウンターが満席となった。

 

(寝具)

なかなか寝心地の良いマットであった。リネン類は普通。寝巻に綿ワッフルのパジャマが用意されていたが、とても着心地が良かった。

  

 

(朝食)

夕食の素晴らしさに比べると、不満の残るものであった。 オレンジジュースは極普通の代物。卵も名古屋コーチンとのことであったが出汁巻きか温泉卵にして欲しかった。朝粥に生卵かけは好みでない。いかのごろ煮、朝っぱらから生臭いものはいらない。野菜サラダの盛りつけにもう少し心配りが欲しかった。果物の甘さも不足。

  

  

  

  

  

 

( 感想 )

鄙の座、予想を超えた宿でした。なによりも応対が素晴らしい。このタイプの応対では強羅花壇・無量塔に匹敵するものだと思いますが、へんな気取りが無くどこか素朴さを感じるところが、さらに滞在を心地良いものにしていたのではないかと。
食文化というものは、その土地固有の食材から生まれ育まれるものだと思います。京都の懐石、東京の鮨、等々。北海道には豊かな海産物、美味しい野菜があります。調理の技を競う懐石は必要無いのかもしれません。本当に美味しい素材を素直に美味しく食べる、これが北海道料理のひとつの到達点かもしれない。そういった答えをもたらしてくれた宿でした。
風呂も素晴らしい、朝食が良ければ文句なしだったのですが。

大好きな北海道、帯広・釧路と旅行の起点となる宿ができたことは嬉しいかぎりです。あとは美瑛・富良野あたりにできると万々歳となるのですが・・・・

2006年8月末訪問

鄙の座の予約の際の参考に