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憧れの旅館・ホテル

仙仁温泉・岩の湯

 

須坂から菅平へ向かう道路は整備されていて気持ちが良い。
ナビが終点を告げた頃、左手に看板が見えた。どうも駐車場のようだ。
中へ入っていくとやはり駐車場で、若い男性スタッフが待機していた。
名前を告げると、荷物を持ち案内してくれた。

 

駐車場のすぐ脇の門である。

 

この橋を渡ると、別世界という想定か。

 

なるほど良く考えられた導線である。 雰囲気が素晴らしい。次第に期待感が膨らんでくる。

 

フロントを通り過ぎ、ラウンジ横のテラスへ案内される。

 

そこで涼しげな御菓子とお抹茶をふるまわれた。

 

目の前には池があり、向こうには滝が造られている。 川のせせらぎの音や滝の音、水の流れる音がとても心地良い。心憎いまでの演出である。相方はもう舞い上がっている。

 

古い見取り図なので、貸切露天風呂などが載っていない。

 

ひと息つくと部屋へ案内される。荷物は既に運ばれている。
迷路のような通路を通り案内された部屋は、離れ「仙山亭」にある「仙桂」。

 

ここで靴を脱ぐ。

 

数奇屋風の端正な造りである。 にわか造りの部屋とは、とても思えない。素晴らしい部屋だと思う。 床の間の雰囲気も素敵である。

 

テレビもきっちりと隠してある。

 

庭側には畳の広縁があり、素敵な文机が置かれてある。

 

庭の造りは大したことはないが、ここにも滝が造られてあり、流れる水の音が心を和ませる。

 

主和室の隣りには、もうひとつ和室がある。

 

押入れの中はクローゼットとなっている。
引き出しの中には、大中小3種類の大きさの浴衣が2枚ずつ置かれてある。

 

その隣りには洋室があり、ソファーが置かれてある。 とても座り心地の良いソファーである。
ここまでの部屋の造りには文句の付けようがない。素晴らしい部屋だと思う。

 

リビングルームの外には屋根付きのテラスがあり、椅子とテーブルが置かれてあるが利用することはなかった。

 

洗面所とトイレ。

 

アメニティグッズには力を入れていないようである。

 

部屋風呂は大理石造りの立派なもので、洗い場付であったが利用するチャンスはなかった。

 

バスタブはジャグジーである。 後述するが、ここのオーナーはジャグジーが好きなのであろうか。

 

玄関脇には水屋スペースがある。

 

冷蔵庫は二つあって、なかなか美味しい漬物が置いてあった。

 

 

(大浴場)

大浴場の入り口の横にはちょっとしたサロンがあり待ち合わせに使われる。

 

大浴場の内風呂はたいしたことはないが、ここにはウリモノの洞窟風呂がある。
洞窟風呂は内風呂から入るようになっており、洞窟風呂の中は混浴となっている。 男性は腰巻、女性は胴巻きが用意されてあった。

 

洞窟風呂の中は混浴なのでカメラを持っていくわけにはいかない。 この写真は、宿のパンフレットから借用したものである。
内風呂に比べて湯温はかなり低く、長湯でものぼせない。

 

洞窟の奥から、上の写真の場所を見たもの。

 

洞窟の一番奥である。このあたりの底は砂地であった。

 

(貸切露天風呂)

これもウリモノのひとつ。3ヶ所ある。入浴中かどうかはドアの鍵の開閉で見分けるようになっている。

一番下の階にある「風姿の湯」。
脱衣場が狭く、階段の上下に分かれている。

 

浴槽は石造り。屋根付の半露天である。
外には完全露天風呂があるが湯温は低い。

 

室内の浴槽の横にシャワースペースがある。

 

ジャグジー仕様となっている。

 

 

真ん中の階にある「野守の湯」。
入り口から階段を下っていく。

 

室内の浴槽は木で縁取られている。
屋外は石造りである。やはり屋外は湯温が低い。

 

ここも室内はジャグジーである。
浴室とは離れた所にシャワー室が作られてあった。なぜか壁の色が不気味である。

 

人気の貸切風呂なので、塞がっていることが多い。 「野守の湯」の横には、待つ客のためにサロンが設けてある。

 

サロンから階段を上がると、「夢想の湯」。
脱衣場の横には広めのシャワー室がある。ここの壁も不気味。

 

ここが一番広々としていて開放感があった。 スタッフの話では、最も人気が高いそうである。

 

屋外の風呂は二つあり、やはり湯温は低いが下段の浴槽はもっと低い。水風呂に近い温度であった。
室内の浴槽は、ここもジャグジー。よほど好きなのだろうか。

 

 

「仙山亭」の通路横にある、ちょっとしたサロン。
上質なソファーと川のせせらぎの音で、素晴らしい空間となっている。
部屋のすぐ真ん前なので、部屋からサービスのトウモロコシと冷蔵庫の中のビールを持ってきて、風呂上りのひとときを楽しんだ。至福の時間であった。

 

(夕食)

食事処「深仙庵」で食べる。

 

川のすぐ横の個室であった。
窓から川を見ることができた。

 

食前酒は、無花果酒。 甘ったるい酒であった。
食中酒は「渓流・大吟醸」。地元、須坂の地酒である。 大吟醸らしくすっきりとはしていたが、どこか酒くさく気品に欠けていた。

 

 

 

 

造りは、「鮎と鯉」

 

今年も鮎は終わりか。 皮は厚く、香りも無かった。

 

 

こちらは「肉」。

 

こちらは魚。「信州サーモンと信濃雪鱒」。

 

 

部屋には夜食が置いてあった。なかなか美味しかった。

地産地消の料理である。 近くで取れた野菜や魚を、そのものの味を壊すことなく調理してある。不満を感じたものは無いが、食べる幸せを感じたものも無かった。

 

(ラウンジ)

食後に出かけたが、アルコール類は極めて少なかった。
仕方が無いので、ドイツワインを1杯だけ引っ掛けた。

 

(寝具)

 

煎餅だったので押入れからマットを1枚借用したが、2枚にしても寝心地は変わらなかった。
マットの弾力がヘタレていたのだろう。

 

(朝食)

食事処「深仙庵」で食べるが、夕食時と異なり大食堂の一角であった。
りんごジュースは普通の味。

 

 

蕎麦粥である。

 

五穀米。 口をつけず残してしまった。

とにかく量が多い。
デザートの頃になって川べりの場所が空いたので、席を替えてくれた。こういうところの心配りは流石である。

 

 

(その他の設備)

いろんな所に談話室やライブラリーが設けられてあった。 それらも、それぞれ魅力的な造りをしていた。
しかし、これだけの場所があるのだから、どこかにインターネットのできるPCを備え付けてくれれば文句なしであったのに。スタッフの話では、接続できるようにはなっているとのことだった。盗難でも心配しているのだろうか。

 

貸切露天風呂のさらに上へ行く階段をのぼると、散歩道がある。
ここは広場になっており、一番高い場所である。
ここからは下りの山道が続く。

 

葛折れの道となって坂を下る。
終点の階段を登ったら、そこは前夜に入ったラウンジの横にでた。

 

(応対)

とても素晴らしい。 スタッフ教育はもちろんのこと、採用時でもサービスマインドを持った人物を選んでいるのではと思ってしまう。
この業種に不向きだと思えるようなスタッフは、ひとりも見かけなかった。

 

(感想)

一見ごちゃごちゃしているようでも、しっかりと統一感がある。質感もとても高い。オーナーの美的センスであろうか、素晴らしい雰囲気の宿であった。
ひとつの世界が形成されており、「岩の湯ワールド」と言っても良い。
これまで、私自身そういう世界を感じたのは「俵屋ワールド」・「あさばワールド」だけであるが、3番目のワールドを見つけたという思いを持つ。

しかし、リピートするかというと難しい問題もある。
名古屋からは遠い。自宅から5時間かかる宿では、そうホイホイとは出向いて来れない。
5時間かけて出向く宿としては、食事と寝具が弱い。特に男性の食いしん坊にとって、食事の弱さは致命的である。
2〜3時間で来ることのできる宿ならば、リピートする価値は充分あると思う。
「予約の取れない宿」、充分理解のできる宿であった。特に女性客にとって。

 

2009年8月下旬訪問