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憧れの旅館・ホテル

御宿かわせみ再訪

 

大震災後、福島の温泉へ行こうと考えた。
何軒かの宿を候補に検討したが、評判の高い料理をもう一度確かめようと、この宿に決めた。
仙台空港近くでレンタカーを借り、生憎の雨の中、飯坂に着いた。
川向こうに見えるのが「御宿かわせみ」。
ガラス美術館の外壁は地震で壊れたのだろうか、ネットが張ってあった。
その隣、竹林に囲まれたのが「御宿かわせみ」世界である。

 

 

 

玄関から長い渡り廊下を歩くと、フロント・ロビーに出る。

 

端正な造りである。

 

この宿の顔とも言うべきロビー。

 

素晴らしい池には合鴨が。

 

まずはロビーで一服。
お菓子は塩味饅頭。

 

離れへの入り口の丸窓。これも宿の顔。

 

 

 

部屋は「侘助」。

 

 

 

 

 

主和室
襖の向こうが茶室と玄関。

 

すっきりとした床の間。

 

濡縁の向こうは庭。
右手の和室の境の戸袋の中にテレビ。

 

戸を開くとテレビ。

 

副和室。

 

広縁には三点セット。

 

濡縁の左手は「紫苑」。

 

突き当たりの障子窓の向こうは部屋露天風呂。

 

樹木が生い茂り、池はよく見えない。
人口の滝や噴水で水の音を演出している。

 

夜の眺め。

 

茶室

 

戸袋を開くとクローゼット。

 

浴衣

 

残念だったのは浴衣の襟や襟下のプレスがいい加減であったこと。
強羅花壇でも同じようなことがあったが、格調を重んじる宿では、あってはならないことだと思う

 

これは男物の浴衣。
同じようにプレスが酷い。
着ている時、なんとも情けない気持ちになる。

 

洗面脱衣所
向こうは檜の内風呂、ガラス戸の外は露天風呂。

 

 

 

アメニティグッズには気を使っている。

 

男性用。

 

内風呂は井戸水を沸かしたもの。
シャワーしか使わなかった。

 

露天風呂から内風呂を見る。

 

露天風呂は源泉掛け流しとのこと。
とても気持ち良いお湯であった。

 

夜の眺め。

 

(大浴場)

 

バスタオルとフェイスタオルが豊富に用意されてある。

 

 

 

右手奥が露天風呂。

 

露天風呂の左手にサウナ。

 

かまくらを思わせるような造り

 

(サロン)

前回の訪問時と変わっていない。
湯上がりサロンとして利用するには、湯上がりの火照った身体では長居ができない。
このサロンの存在は、「御宿かわせみ」にミスマッチとしか思えないのだが。

 

リンゴジュース

 

早々に部屋へもどり、濡縁で湯上がりのビールを楽しんだ。

 

 

(夕食)

 

食前酒はオリジナル「かわせみ生酒」。

 

お勧めの「国権大吟醸」。
辛口だが、少しばかり酒臭かった。

 

口取り
蛸・生きくらげ・いんげんの酒盗かけ。

 

鮎のうるか焼き

 

鮎の下にトマトがかかった銀餡。
面白い組み合わせ。

 

12時の位置から時計回りに、サザエのエスカルゴ風味・パプリカ豆腐&山葵・フォアグラ&ゴーヤのカナッペ&マスタードソース・黒豚の西京焼き・穴子・真ん中が、だだちゃ豆の塩茹で。

 

椀物
鮟胆が海老真丈に変更。
典型的な鰹出汁。海老真丈が滅茶苦茶美味しかった。

 

本鮪造り
脂の臭みがなく、品の良いトロであった。

 

鱧は甘み不足。

 

湯葉飯蒸し

 

メインの利尻黄金雲丹の宝石盛り
バフンウニ・海老・ズッキーニ・冬瓜・茄子のジュレかけ
ひとつひとつの素材はとても美味しいのだが、「1+1+1=3+α」でなく、「1+1+1=1+1+1」にしか思えなかったのが残念。

 

オリジナルかわせみ大吟醸
国権よりこちらのほうが美味しい。

 

口直しの無花果&生姜湯

 

脂がしっかり乗ったノドグロであったが、ここにきてはクドさが先にたつ。

 

モズク・山芋・オクラの酢浸し

 

小鉢は鱸の黄身醤油合え
赤出汁は南京餅&葱
ご飯は切りご飯だが、アルデンテでなく柔らかかった。

 

全然甘くない桃

 

チーズケーキのメロンソスーかけ
これはあっさりとしていて美味しかった。

 

懐石料理というよりは創作会席料理。
引き算の料理でなく、足し算の料理。
ひと品ひと品は素晴らしい食材を用い美味しいのだが、4番バッターばかりで最後は食傷気味。
八泉・あさば・俵屋などとは対極にある料理だと思う。

 

 

(寝具)

 

 

分厚いマット。
固めのマットは俵屋に良く似た寝心地。
リネン類の肌触りは素晴らしかった。

 

 

(朝食)

朝食の予定時間の30分前に蒲団の片づけがある。
その時に、天然水。

 

 

帆立・海老・生麩・ししとうの 朴葉焼き。

 

良く脂の乗った太刀魚。

 

出汁巻き玉子

 

湿気っていたのか、パリパリ感に欠けていたのが残念。

 

身の厚い浅利の味噌汁。

 

生きくらげ・グレープフルーツ・ラズベリー・黒豆・キーウィ

 

美味しいコーヒーであった。

 

 

「御宿かわせみ」、一言でいえば、とても「端正な宿」である。端正さもいろいろあるが、「裃を着た端正さ」に感じる。
似たような端正さを持つ「あさば」にあって「かわせみ」に無いものは「遊び心」ではないだろうか。

「守破離」という言葉がある。私なりに自分勝手な解釈をしてみれば、「かわせみ」は守、「あさば」は破、「俵屋」や「蓬莱(現在は不明)」は離ではないかと思うのだが。
これが伝統というものの差かもしれない。

しかし竹林の中にこれだけの世界を創り上げたことは凄いことだと思う。
「半水盧」・「無量塔」・「御宿かわせみ」、ともに歴史を創っていって欲しい宿である。

「飯坂ゆべし」を買い、「福島の桃」を注文して帰途に就いた。

 

 

仙台空港

3Fがまだ再オープンされておらず(9月末の予定)、2Fにショップが併設されていた。
ここでの買い物も目的のひとつ。
「笹かまぼこ」・「ずんだ餅」・「牛タン一本」・「伊達バウム」をしこたま買い込み、「一ノ蔵」・「阿部勘酒造」の酒を配送、そして空弁「牛タン弁当」を買って飛行機に乗り込んだ。

 

眼下を津波が車や軽飛行機を飲み込み押し寄せた光景は記憶に生々しい。
しかし現在は何もなかったような風景である。

 

東北地方の復活を願いつつ、仙台空港を飛び立った。
仙台空港周辺の記録はこちらで。
あびたろうの旅行記「仙台空港周辺 」

 

平成23年8月下旬訪問

御宿かわせみの予約の際の参考に