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憧れの旅館・ホテル
美山荘昼食
仕事の仲間達と美山荘の昼食を楽しんだ。 京都の街中から美山荘へ行くためには花背峠を越えなければならない。
杉林の中を、すれちがうのも困難な道幅の道路が続いている。ここは京都のサイクリストにとって、ロード坂道トレーニングの定番コースらしい。
美山荘周辺は、まだまだ緑の世界であった。紅葉の盛りは、さぞ素晴らしい眺めであろう。
母屋の玄関脇、そこは調理場の横であるが、黒柴犬が愛想を振りまいていた。名前は「くろ」ということだった。
定番の「あけび茶」から始まる。独特の香ばしさである。悪く言えば、少しばかりいぶり臭いが。
(一献)
食前酒は、「弥栄鶴(やさかづる)」、丹後の酒である。やや甘口ながら、さらりとしていて後口の良い酒であった。食中酒もこれで通した。
銀杏みそ朴葉焼き、大ぶりの銀杏で香りも良く、なかなかの味であった。みそは濃い味であったが、銀杏と良く合っていた。
これを栗の木を削った手作りの箸で食べるのだが、曲がっていて苦労する。削った時は真直ぐだと言っていたが、これも一興か。
(向付)
岩魚造り、癖が無くあっさりとした味であった。わさびが美味しい。
(汁)
白味噌仕立の椀物である。一般的な京風の白味噌仕立よりも出汁(昆布味の勝った)をしっかり利かせていて、はっきりした味であった。とても美味しかった。
(八寸)
ちょっと寂しい八寸であったが、月見芋の胡麻団子揚や川海老は、なかなかの味であった。地玉子みそ漬や丹波黒枝豆は、味よりも話の種というところか。
(進肴)
焼松茸、丹波産の松茸とのこと、確かに香りも素晴らしく楽しめた。かぼすというところが、またいい。
(口取)
くるみ豆腐、もっちりとした食感は素晴らしかったが、くるみ豆腐そのものが好みではなかった。
(お凌ぎ)
鯖すし、酢の効かせ具合が素晴らしく、最高に美味しかった。もっと食べたいくらいであった。鯖街道の一翼を担っていただけの歴史があるのか、感激の味であった。
(土瓶蒸し)
これも丹波の松茸。中に鰻の白焼きが入っていたが、あっさりとした臭みのない味は鱧と見まがうほどであった。適当に鰻の脂も出ていて、とても美味しい汁であった。これは柚子である。
(焼物)
子持鮎の杉板やき、杉板の香りが強すぎて鮎の美味しさを殺し気味であった。香りが付きすぎるものもどうか。これはすだち。香酸柑橘類に対するこだわりも面白い。
(箸休)
黒川茸菊菜和え、味が余りなく、ただ口をさっぱりさせるだけの品であった。
(炊合)
煮物というよりも、揚物。茸類の天麩羅のあんかけであった。ここまでくると、さすがにくどいと感じた。
(御飯)
栗ごはん、これも好みでないので少し残念。
(水物)
梨コンポート、洋ナシであった。和食に洋ナシは合わないような気がした。ぼやけた味よりも、はっきりとした味のほうが、すっきりすると思うのだが。
(菓子)
栃もち、皮の食感が素晴らしい。大量生産では絶対に味わえない美味しさである。腹が膨らんだ後でも美味しかった。
(感想)
前回(3年4ヶ月前)とは味のベースが違っているように感じた。前回は味がとても濃く田舎風という雰囲気を強く感じたのであるが、今回は少しばかり濃い味ながらも京風の雰囲気を感じた。料理人の意図の違いを感じた。
私としては今回の方が口に合う。
帰り際には、大女将・若女将が二人お揃いで見送ってくださった。素晴らしい「もてなしの心」を持った御二人であった。
嬉しいことは、トイレがシャワートイレになっていたことである。聞けば3年前に手を入れたとのことである。ということは前回の訪れ直後に改装したのか・・・・
鞍馬寺
鞍馬の町並みを通る道路は道幅がとても狭い。昔の街道 ( 鞍馬街道 ) そのままの道幅なのだろう。鞍馬の火祭りを前にして大松明の製作が進んでいた。青いシートは出来上がった大松明の包みである。
街道脇に仁王門があった。少し入るとケーブルの駅である。
そこには鞍馬山の模型が飾られてあった。登りはケーブルで、下りは徒歩にした。山の向こう側には貴船神社へ下る道がある。
本殿金堂への石段はモミジのトンネルであった。まだまだ緑であったが紅葉の盛りはさぞ素晴らしいことであろう。
金堂周辺のモミジの中に少しばかり気の早い木があった。少しでも雰囲気を味わえたことを感謝すべきなのかもしれない。
下りは、つづら折りの道であった。登ってくるにはさぞや大変だろうなと思える山道であった。
2007年10月中旬訪問