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憧れの旅館・ホテル

別邸 奥の樹々

 

穏やかに晴れわたった高速道路を快適にドライブしていたが静岡にはいると富士山は雲に隠れていた。

少しがっかりしながら裾野のインターチェンジで高速道路を降りて富士山に向かった。富士サファリパークの近くから富士山スカイラインへ抜ける道路「富士山麓線」に入る。これは広域基幹林道といい山林火災を防ぐための防火林道だそうだ。そのため道路の両脇が広々と整備され広い視野が確保されているので実にのびのびと走ることができた。樹木の緑と色づき始めた紅葉、それにススキがアクセントになり素晴らしい道路であった。しかし曇り空のため富士山頂はもちろん下界も見渡すことはできなかった。

富士山スカイラインに入ると見晴らしはさほど良くなく森の中の道路といった感じであった。空は暗い鉛色をしていたが、ブナやカラマツであろうか樹木は黄色一色で、さながら黄金色のトンネルを走っているようであった。見事な紅葉であったが車を停めるスペースがなかったので写真に収めることができなかった。とても残念であった。
富士山新五合目へ登る道との三叉路付近はガスってきていてそれ以上登っていくのは危険であった。

水ヶ塚駐車場のあたりはナナカマドであろうか赤色の紅葉が目につくようになってきた。

御殿場方面へゆっくり下り、実弾射撃で有名な自衛隊東富士演習場の脇を通って乙女峠へ向かった。峠の茶屋から見ると富士山は裾野からすっかり雲の中であった。乙女トンネルを抜け仙石原に近づくと道は激しく渋滞していた。

道路脇に木立に囲まれた宿への侵入路がある。やや古さを感じる仙郷楼本館の車寄せに止まるとスタッフが数名待ち構えていいた。

  

名前を告げると車を預かってくれ、女性スタッフが本館の左手にある小さな門から別邸へと案内してくれた。

  

オープン1年半、木の香も新しいといった感じの玄関で靴を脱ぎ、素足で畳敷きの廊下を歩き部屋へ向かう。

  

そしてお茶とお菓子を振る舞われ宿帳に記入した。
案内の女性と部屋係は別であった。

部屋は「ぶな」。
10畳ほどの和室と広縁、セミダブルサイズのツインベッドルーム、2畳の化粧部屋(予備のクローゼット付)、広々としたトイレスペース、それから洗面脱衣所、シャワールーム、部屋付露天風呂からなる。

  

           

  

また広々とした濡縁にはプラスチック製の三点セットが置いてあった。

  

よく手入れの行き届いた庭からは仙石原やその向こうの箱根外輪山を見渡すことができ、素晴らしい眺めを楽しめた。

 

(大浴場と露天風呂)

本館3階にある。別邸玄関で下駄に履き替えて本館へ行き本館でスリッパに履き替える。大浴場と露天風呂は少し離れているので、どちらかに入浴後浴衣を着て移動しなければならない。露天風呂だけ入った。白濁したお湯と岩風呂でとても風情があった。眼前の木々はモミジで、まだ青葉であるが色づく頃はさぞかし綺麗だと思われる。

本館の浴場には備え付けのタオル類がないので、部屋から本館用のタオルとバスタオルを持参する。

 

(部屋風呂)

大人二人がゆったりと入ることができる石造りの浴槽であり、ここも硫黄臭のする白濁したお湯である。
二方向が開放でき、一方は障子戸、他方はガラス戸で外気と遮断できる。開放感に溢れていて素晴らしい。

夜は庭に行灯の灯りがともされ、夜の庭を眺めながら、のんびりと入浴を楽しむことができた。

  

本館の風呂も部屋風呂も掛け流しだそうだが、硫黄の臭いが強く、入浴後シャワーを浴びないといつまでも鼻についた。

 

(夕食)

鰹出汁を主体とした関東風の味付けだと思う。前菜は作り置きの感が否めない。椀物は鰹出汁のエグみを少し感じた。水菓子は出しておけば良いといった感すらあり。

 

  

  

 

 

 

全体的にはまずまずの料理だと思うが、今ひとつ感激が無かった。これは思うに昆布出汁を利かせた料理が無かったせいではなかろうか。若いときは物足りないと感じた「まったり、ほのぼの昆布出汁の味」どうもそれが無いとどこか不満なのである。
品数は多いが、一品一品が少なめのため完食できた。しかし一品減らしてもよいから造りの一切れを大きめにして欲しい。「小さな一切れ」はどこかもの寂しい。
あまった松茸御飯、夜食用のおにぎりにしてくれた。

 

(寝具)

やや固めのマットであったがとても寝心地の良いベッドで熟睡できた。シモンズであった。シモンズでもやや固めのタイプか。

リネン類は極普通。
紐付きの寝巻きが用意されてあった。

 

(朝食)

オレンジジュースは普通のものであった。ひとつひとつ丁寧に作ってあり、なかなか美味しい朝食であった。伊勢海老の殻の出汁の利いた味噌汁はいつ飲んでも感激である。

 

(応対)

別邸で出会ったスタッフはもちろん、本館のスタッフもみな親切で丁寧な応対であった。部屋係の女性もとてもよくしてくれた。不満は何も感じなかった。

 

(感想)

新しい別邸、隅々にまでこだわりを感じる造りでした。この感性は「指月の離れ」にとても似ていると思います。
玄関脇のロビー、センス溢れた籐の家具が置かれていますがドリンクが供されるわけでもない、ただ座っているだけの場所でした。せめて雑誌などを置いてライブラリーとすれば素敵な場所になるのに。

  

夕食がもう一段ランクアップされれば、申し分のない宿になるのではと思います。
最後に、帰りを急がなければ他の部屋を見せてくれると言ってくれたのでチェックアウト時間過ぎまでねばりました。そして掃除中でしたがすべての部屋を見せてもらいました。「山栗」からの眺めが一番素晴らしく、別格でした。

夜半の雨もあがり、快晴の高速道路を帰路につきました。途中、浜名湖あたりで目の前真正面にジェット戦闘機の編隊飛行が現れました。航空自衛隊のブルーインパルスでした。6機編隊で真上に急上昇し急ターンして一直線に急降下する、そして地面すれすれで機首上げをする。「デルタ・ロール」というフォーメーションでしょうか、運転中にもかかわらず思わず見とれてしまいました。
「すごーい!」助手席では相方が歓声を上げ拍手していました。(笑)

2006年10月末訪問