made by Abitaro                           back to toppage

Wellcome to My Homepage!!

憧れの旅館・ホテル

鬼の栖

 

修善寺温泉街の狭い道路を過ぎると「柳生の庄」の前へ出る。そのほんの少し先が「鬼の栖」の入り口である。道路から奥に少し入った所に立派な門がある。門の所では、タキシードを着た猫と清めの塩を盛った鬼が出迎えてくれた。

 

  

  

タクシーが停まると、数人のスタッフが「お帰りなさい」と声を掛けてくれた最初の訪問で「お帰りなさい」は奇妙な感じだ。

  

そのまま部屋に案内され、部屋の玄関で靴を脱ぐ。そしてお菓子と薄茶をふるまわれ宿帳を記入した。


  

部屋は「下鴨」。
8畳ほどの主和室と6畳ほどの副和室からなる。それぞれの部屋の窓から池を主体とした庭が見渡せる。

  

  

小さな池を取り囲むように各部屋が配置されているので他の部屋から見られる可能性もあり、また庭に降りた他の客と眼を合わせることもあった。ライバシーの点で問題があるかもしれない。

 

(大浴場)

タオル類は豊富に置いてあるが、薄手であまり高級品とはいえない。
室内の大浴場はなく露天風呂だけである。露天風呂の奥は、少しのスペースが洞窟風になっている。湯量はあまり豊富ではなかった。

  

  

洗い場ともに屋根が無く、雨の日は落ち着いて入れないであろう。雨の日用に陣笠が備え付けてあった。

  

 

(部屋風呂)

ステンレスシンクの脱衣洗面所とシャワールーム、それから大人数人が同時に入れそうな露天風呂からなる。

  

こじんまりとした庭の眺めであるが、夜には灯篭の灯りもともされ、なかなかの風情であった。大浴場の露天風呂が特徴あるものではなかったので、部屋付の露天風呂を何回も利用した。ジャグジーの設備も付いていた。

  

 

(夕食)


オーソドックスな懐石(会席)料理である。出汁味はどちらかというと関東風。
器もとても凝っており、眼を楽しませてくれた。
酒は、オリジナル「鬼の栖」、あっさりとした辛口の酒であった。
献立にない岩牡蠣のサービスがあった。大ぶりであり、とてもミルキーな味がした。

鮎もいよいよ旬である。紀ノ川の鮎だと言っていた。美味しい鮎には蓼酢はいらない。
蕎麦は料理長が自ら打ったものとのこと、二種類のつゆがなかなか美味しく、またそれを混ぜたつゆも旨かった。
水菓子の出来はいまひとつ、甘豆腐はけったいな味であった。
嬉しかったのは、利休箸を使っていたこと。多くの宿は、先端の太い割り箸を使っているが、それでは魚を捌きにくい。いつも「なぜなんだ?」と不満であったが、こういう心使いはとても喜ばしい。他の宿も見習ってほしいものだ。

  

  

  

  

  

  

  

 

(寝具)

二枚の浴衣のほかに、紐の付いた寝巻きが用意されていた。
敷き布団は薄いウレタン系マットの二枚組。煎餅に近い代物。

リネン類は極普通。

  

 

(朝食)

魚が「塩鮭」・「やなぎ鰈の干物」・「鯵の干物」から選択できる。「塩鮭」を選んだ。俵屋で供されるような驚くべき塩鮭ではないが、味はまずまずであった。
温泉卵の出汁加減はとても良かった。御飯にのっける小皿類もとても美味しく全体的にまずまずの朝食であろう。ただ品数が多すぎた感じもあり。

コーヒーはとても美味しく、またカップも眼を楽しませてくれた。

  

 

(応対)

部屋係はサブの女性がおり二名で担当してくれた。とても丁寧で細やかな接客であった。

 

 

(感想)

古き良き旅館といったイメージでしょうか。
料理は、きちんと作られていて、そこそこ美味しい。取り立てて不満を感じない味でした。旅館の会席料理とすれば上の部類かもしれませんが、この手の料理は、もっと美味しい料亭や割烹があります。ここの料理を食べに行きたいと思わせるほどの特徴はありませんでした。


大浴場の露天は、「一度入ったら、もういいや」といった感じでした。露天しかないので雨の日は不満が残るでしょう。

一般的に副和室に布団を敷くそうですが、そこにはテレビが無いので主和室に敷いてもらいました。副和室の押入れに布団が収納されており、運び入れで私どもの居場所が無くなり居たたまれない思いをしました。副和室にもテレビを備え付けて欲しいものです。

最大の欠点は寝具でした。薄っぺらな煎餅布団、明け方に眼が覚めたら布団の固さのせいかそれ以後寝つけませんでした。寝不足感が残りました。
ホテル等でもベッド競争が始まっています。寝心地の良し悪しは、宿の印象を大きく左右します。何とかならないものでしょうか。

接客は素晴らしいのですから、この点を改善しないとリピーターは増えないのではないかと思いました。

2007年6月末訪問

鬼の栖 の予約の際の参考に