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憧れの旅館・ホテル

ペニンシュラ東京  & 和幸 & 蓬莱

 

回転ドアから一歩中へ入ると驚きであった。まるで結婚式場の教会のようであった。
きょろきょろしているとスタッフが声を掛けてきた。 「お泊りですか?」「そうだ」と答えると、レセプションデスクの場所まで案内してくれたが、二度目の驚愕が待っていた。「混んでいる時はどうなるのだろう?」

  

 

 

 

 

幸い客は他に一組しかいなかったので直ぐにチェックインできた。チェックインの相手をしてくれた女性スタッフがそのまま部屋へ案内してくれた。素っ気無いエレベーターホール、狭い廊下を通って案内された部屋は21階のスーペリアルーム、一番安い部屋である。といっても51uの広さ、こればかりは既存の国内老舗ホテルは逆立ちしても敵わない。

  

 

 

スーペリアルーム

 

 

ドレッシングルームというだけあってドレッサーの設備も整っている。ベッドルームはさすがに広い。

  

 

 

ベッドスペースのほかにリビングスペースが充分ある。とても座り心地の良いソファー、窓際には食事も摂れそうな椅子とテーブルが置かれてあり、そこにはウェルカムフルーツが用意されてあった。

 

  

  

 

 

ベッドと反対側の壁には大型の薄型テレビがあり、その一方の脇にはライティングデスクが設けられてあった。照明も充分確保されてあり、とても喜ばしいことである。他方の脇にはミニバー etc の設備があったが、極めて上手に収納されていて、すっきりとした室内に一役買っている。

 

  

 

 

眺望は良くない。すぐ向こうにはオフィスがあり、21階がゆえに助かっている。もっと低層階の部屋なら、隣のオフィスと鼻付き合わせることを覚悟すべきかもしれない。

  

 

 

夜景も当然ながら楽しめない。

  

 

バスルームは素晴らしい。
バスタブを中心に、左右にそれぞれシンクがある。そして一方にはスモークガラスで仕切られたトイレ、他方はシャワーブースが設置されてあった。タオルは超特大のバスタオルが3枚用意されてあったが、男にとって超特大のバスタオルは極めて使いにくい。普段、腰から下の部分に巻きつける習慣なので、女性のように脇の下から巻きつけると妙な気分である。濡れたバスタオルのおき場所にも苦労する。

 

  

  

 

 

バスルームにもテレビが備え付けられてあり、バスタブに浸かった時、手元で操作できるようシャワー共々上手くまとめられてある。

 

 

 

アメニティグッズは 「DAVI」 というブランド。聞いたことのないブランドであるが「原産国:中国」と記されてあった。さすが中国に本拠を置くホテルの面目躍如である。

  

 

夕食から帰ると、ターンダウンされてあった。ベッドサイドの床には足ふきマットとスリッパが置かれ、サイドテーブルにはミネラルウォーターが用意されてあった。

  

 

(寝具)

とても寝心地の良いベッドであった。今まで経験したなかで最高の寝心地と言ってもよい。中を調べたら、シモンズのマットにダウンの敷布団、そしてベッドパッドと、まるで俵屋の布団のような重装備であった。リネンの肌触りも素晴らしく、起きるのが勿体無いような寝心地であった。我が家でも取り入れてみたいものだ。
寝巻きには浴衣が用意されてあった。

  

 

(その他)

感心したのはパネル類の見やすさ。子供が好みそうなデザインであり部屋のデザインとの統一性を損なうものであるが、使う者にとってはありがたいことだ。

 

 

 

それから部屋の色使いも素晴らしい。ベッドに入ってからの視野に入るもの、これがすべて心休まるように考えられている。俵屋の曉翠の間で感じたのと同じである。

 

 

部屋のデザインも「和」が意識されている。間接照明の使い方も素晴らしく、網代の天井への照明のあてかた、縦格子から洩れる明かり、極めて日本的である。

 

 

 

 

(朝食)

1階の「ザ・ロビー」。ホテルに出入りする客達がすぐ横を通るためかとてもざわついていて落ち着かない。ラウンジとレストランは違っているほうが良いのだが。

 

 

不思議だったのは、ザ・ペニンシュラブレックファストの中で、卵とフレンチトーストがチョイスになっていたことである。パンがあるのに更にフレンチトースト。
スタッフにパンとフレンチトーストの差し替えはできないかとリクエストしたが駄目だという。「ア・ラ・カルトで注文してくれ」との返事であった。差額を払えば済むことではないか。
仕方がないので、フレッシュジュース・コーヒー・オムレツ・フレンチトーストの4品を頼んだが、ア・ラ・カルトの値段設定がとてつもなく高額で、セットメニューの2倍近い値段になってしまった。
信じられないようなサービスの悪さである。

 

  

 

 

 

レ・セゾンやオーキッドルームでは快く差し替えてくれたのに、なんというサービスの悪さであろう。
こんなことでは日本ではやっていけないのではないか。

フレッシュオレンジジュースは酸味が強く、甘さが足りなかった。
オムレツは美味しかった。
フレンチトーストは平均的な味。ホイップバターは一口で止めた。

(接客)

人によってばらつきが大きかった。マニュアルをこなしているだけのスタッフが多い。
スタッフには女性が多かった。

一般的に女性スタッフは、良く言えば「真面目」、悪く言えば「事務的」な方が多いような気がする。全体に笑顔が少ない。
サービスの第一歩は「笑顔」だと思うのだが、女性スタッフのなかには、笑うと不真面目であるとでも思っているかのような、そんな態度のスタッフが多いような気がする。
偏見であるのかもしれないが、どんな店でも男性スタッフが多い所の方が好きであるし落ち着く。

(感想)

プライベートスペースの素晴らしさに比べて、パブリックスペースが貧弱である。この落差はなんなのであろう。
サービスも極めて悪い。

今まで経験した外資系ホテルは押しなべて同じ傾向であった。特に朝食の場所が貧弱。レ・セゾンやオーキッドルームやレペトアなどのゆっくりと落ち着いて食事のできるレストランがない。ヨーロッパのホテルではメインダイニングで朝食ができるところも多いと思うのだが。
朝食をゆっくり楽しむという発想がないのはとても残念である。

 

 

和幸

タクシーを少し手前で降りて歩いてみたが、目指す店はなかなか見つからなかった。 運転手に指示された裏道を通り過ぎたらしく、電信柱に「和幸」が手前にあることを示す矢印が貼り付けてあった。もと来た裏道を戻ると、さらなる裏道にそれらしき灯りが見えた。近づいてみるとごく普通の一軒家にしか見えない建物であった。
玄関の戸を開け大きな声で「こんばんは」というと若い女性が現れた

  

家の中も、普通の家となんら変わりのない造りであった。案内されたのは6畳程の堀炬燵の部屋。隣の部屋の話し声は良く聞こえた。

 

まずは麦焦がしと思われるお茶が出た。そして飲み物を聞かれた。お勧めは「賀茂鶴」であった。

 

 

  

 

 

 

  

  

  

  

  

向附から料理が始まった。
造りは言うに及ばず、つけ醤油の旨さが素晴らしい。薄口白醤油にカボスと出汁を合わせたものを明石鯛につけるのであるが、絶品であった。本当に美味しい店は醤油の旨さが際立っている。
椀盛の出汁も素晴らしいものであった。それほど強い昆布出汁は感じなかったが、まったり感は充分に溢れていた。この2品で、この店の素晴らしさを充分感じた。
口取は、意外と平凡であった。

焚合も素晴らしかった。鶉丸の味もしっかりしていたし、海老芋も湯葉も京人参も味に濁りが無く、しっかりと出汁味が効いていた。そのことを仲居さんに告げると「焚き合せを誉めてくださるお客は少ないので、煮方が喜びます」と笑っていた。
温椀の胡麻豆腐も素晴らしい味であった。
蒸し物の吉野葛の味や香りはあっさりしていて葛とは思えなかった。出汁が効きすぎていたのかもしれない。
酢の物は期待はずれ。海松貝が少し生臭かった。
越前蟹はいかに料理しようとも産地で食べるものには敵わない。
腹具合も関係してか、この2品は無くてもよいと思った。

止椀の京白味噌汁も素晴らしく美味しかった。
御飯は、蒸らしていない少ししゃびしゃびの感じで茶懐石風なのであろうか。
水菓子のラ・フランスは美味しかったが、メロンと苺の味はイマイチであった。本当に美味しい果物一品で充分だと思うが。
御菓子は、甘さを抑えてあり菓子というよりも料理の一品という雰囲気であった。


全体を通して出汁を使う料理が本当に美味しかった。
量が多すぎると思い、そのことを仲居さんに告げたら「主人は、量が物足りないと思われると申し訳ないと言って、いっぱい出してしまうのです」と笑って言っていた。
最初の予約の電話で、値段の違いは品数の違いだと言っていたので、我々にとってはもっと安い値段のコースでも良かったのだろう。

(接客)

仲居さんはまだ若そうな女性であったが受け答えがしっかりしており、知識も生半可なものではなかった。従業員というよりは身内ではないかと思わせるほどであった。
最後に玄関で店のご主人が挨拶に出てこられたが(仲居さんが板場へ大きな声で「親っさん、お客様がお帰りですよ!」と呼んだ),サービス精神に溢れた物腰で素晴らしい御方であった。一緒に写真に入ってくださったが、宝物となろう。
小雨降る中、タクシーが出るまで玄関先で見送ってくださった。

 

 

蓬莱

 

ペニンシュラホテルのバスルームは素晴らしかったが、温泉露天風呂にのんびり浸かり浴衣で風呂上りのビールを飲みながら夕食を待つ楽しみには到底敵わないのではないかと思った。

食前酒: 柚子酒
お通し: 胡麻豆腐
八寸: 平目寿司・唐墨大根・鴨ロースト・さざえ肝・平目煮凝り・鮟肝・菊大根なます
椀物: 白子
造り: 鯛・サヨリ・伊勢海老・烏賊
箸休め: 柚子寿司

蒸物: 甘鯛蕪蒸し
鍋物: 河豚鍋味噌仕立・下仁田葱・春菊・蕪・じゃが芋
揚物: 百合根・銀杏・慈姑・細葱
酢物:
御飯・香の物:
フルーツ: 紅ほっぺ苺

  

  

 

 

 

 

  

  

  

最後に、いつものように「おにぎり」を頼んだ。 相変わらず、美味しかった。
昨夜の「和幸」も美味しかったが、ここ「蓬莱」のあっさりとした美味しさも格別。特に塩味が絶妙であると思う。 「和幸」と「蓬莱」、順序が逆では、ここの美味しさは半滅してしまうかもしれない。
フルーツはいつも吟味されている。今回の紅ほっぺ、大きさも特大であったが甘さも素晴らしかった。何種類も出すよりも、このような出し方の方が満足する。


この日は「熱海花火大会」の最終日であった。 夕食後に出かける元気は無かった。
部屋からは、目の前の樹木と少し離れた所にある小高い丘に邪魔されたものの、少しばかり見ることができた。

 

(朝食)

朝日が海にきらめき初島も良く見え「走り湯」での朝風呂は素晴らしいものであった。

 

 

 

昨日の伊勢海老の殻で作った味噌汁は絶品。ここの朝食は派手さは無いものの、一品一品心を込めて作ってあり御飯に良く合う。お代わりを何杯もしてしまう朝食である。しみじみ旨い。
私にとって最高に満足できる朝食の一つである。

2007年12月下旬訪問

 

ペニンシュラ東京予約の際の参考に