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憧れの旅館・ホテル

石葉

 

オレンジラインの途中から山側へ入り、細い道をしばらく走ると石葉にでる。タクシーが玄関前に着くと若い男衆が出てきて荷物を受け取り建物の中へ案内してくれた。

  

予想外に小振りの玄関で靴を脱ぎ、ライブラリーを兼ねた待合処で一息入れると中年過ぎの女性が離れに案内してくれた。

 

 

ここで宿帳に記入し、明日葉茶と柏餅(味噌餡)を振る舞われた。部屋係の女性とは違っていた。

部屋は観月庵。6畳の副室と10畳の主和室がある。どちらも眺めは良いが、主和室には月見台が設けられてあり、木製の椅子も備え付けられてあった。月見台の真ん前には大きなモミジの木があり新緑を見せていた。しかし遠くを眺望するには邪魔な存在であり至極残念。

  

  

風呂上がりに椅子の位置を変え、十国峠を始めとする箱根連山を眺めるのは時を忘れた。鶯やその他の鳥のさえずりも心を和ませてくれた。

ただ風呂上がりといえどもビールには肌寒く、水割り片手のひとときであった。

 

(応対)

部屋係の女性は、おとなしい感じであったが滞在中甲斐甲斐しく世話をしてくれた。
部屋数が9室と少ないせいかスタッフの数は少なく思えた。しかし廊下ですれ違ったスタッフたちは皆親切で感じが良かった。

 

(大浴場)

大小二つからなり、時間で交代。一方は脱衣場、浴室も狭く案内図では「小浴場」となっていた。しかし御影石と伊豆石でできた露天風呂から山々を眺めることができ、脱衣場の横には湯上がりサロンがあり大きくとられた窓からは箱根連山が一望に眺めることができた。お茶のセットも用意されてあった。

  

  

 

 

もう一方の大浴場はやや広めであるが、岩造りの露天風呂は木々に囲まれた庭園の中の風呂といった趣であり眺めは良くない。

  

  

大浴場は、離れ「観月庵」のすぐ隣にあり、気の向くまま何時でも入れるというのは嬉しいかぎりであった。また部屋数が少なく宿泊者も少ないため、男風呂の方は殆ど貸し切り状態であった。相方の話では女風呂の方はかなり混雑していたそうである。女性同士の客が多いのかもしれない。

 

(部屋風呂)

伊豆石でできた風呂である。小振りで角張っているため入り心地はあまり良くない。また浴槽の保温性が良くないためすぐ冷える。沸かし湯とのことだった。

  

 

(夕食)

  

 

  

 

 

  

  

  

  

いくつか不満を感じた。
先付・八寸は「手をかけた驚きの品」ではなく、作り置きを組み合わせた感なきにしもあらず。椀の出汁は鰹であろうが、削り節特有の深みを感じなかった。
造りでは醤油の味がきつすぎて刺身の微妙な味わいを殺していた。
その後に出てきた品はあっさりとした癖のない味であった。このあたりは万人受けする味であろうか。
鍋の昆布出汁はまずまず美味しかった。基本的に関東風の鰹出汁より京風の昆布出汁のほうが好みだ。
週末で忙しいためか、二品ずつ運んでくることもあった。御飯は部屋毎に釜で炊いているそうである。やや硬めの炊き方であり、柔らかめの好きな私にとって喜ばしいものではなかったが、相方にとっては「美味しい御飯」であったそうである。

 

(寝具)

厚めのウレタン系マットと薄めのウレタン系マットの組み合わせ。豪華な寝具である。硬さは中庸で「あさば」の寝具に似ている。シーツ類の肌触りは極普通。これが良ければ素晴らしい寝心地となるのだが。

  

お茶のセットとともに温泉饅頭が置いてあった。

 

(朝食)

最初にオレンジジュースがでる。味は普通であった。
朝食全体としては食べやすい食材を優しく調理してあり、身体が無理なく受け付けてくれるものであった。これはこれでとても良いことだと思う。
朝食は凝ったものより胃にやさしいものが一番。

 

  

 

 

 

 

 

(感想)

完璧をめざす宿というよりも、そこそこの満足をめざす宿のように見受けられました。もっと手を入れたら良いのに、という所をいくつか感じました。
部屋の月見台、木が朽ちようとしています。危険そうな場所もあるように思えます。わびしささえ感じます。せっかくの月見台なのですから「木の香も新しく」したほうが客の感激もひとしおとなるのではないでしょうか。伊豆山の「蓬莱旅館」の走り湯の床木が張り替えられた時の驚きは忘れられません。

また、目の前のモミジも有り難迷惑です。紅葉の季節ならいざしらず、箱根連山を眺めるには邪魔者でしかありません。横からはみだしてきている杉も手を入れた方が良いのでは。とてもむさくるしく感じました。
部屋風呂も、今のままでは無用の長物です。のんびりと浸かれる代物とは思えません。新しい部屋を作るのも結構ですが、次には古いものの手直しをして欲しいものです
  ともあれ、とても静かな落ち着いた宿でした。都会の喧噪を離れ、命の洗濯にはとても良い宿でした。


2006年4月下旬訪問

石葉の予約の際の参考に