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憧れの旅館・ホテル

由布院 玉の湯

 

由布院周辺は霧が多い。 前回の由布院行、レンタカーを使ったが雨と霧に悩まされ大変苦労したため、今回は高速バスとJRにした。
飛行機も大分空港でなく便数の多い福岡へ飛び、空港からは往復とも同じ手段ではつまらないので、往きの由布院駅までは「西鉄高速バス」、帰りの由布院から博多駅までは「ゆふいんの森2号」と気分を変えた。
福岡空港国内線到着ロビーから数十メートルh離れた所に、バスターミナルがある。

 

 

高速バスは、2列・1列の計3列のリクライニングシートであった。前方と中程に大型のテレビが備え付けられてあるが車内トイレはない、と思いきや中央部の一段下がった所にあった。
約1時間毎に発車し、由布院駅まで1時間40分余りである。途中、ウトウトしていたので、あっという間に「道の駅ゆふいん」に着いてしまった。そこから10分程由布院の狭い道をバスは走り、JR由布院駅の裏手に到着した。
タクシーが玉の湯の玄関前に着くと、そこには若い女性スタッフが待ち構えていた。

 

 

レストラン、フロントを横切り談話室へ案内された。荷物は台車に載せて運んでくれた。そこでお茶とお菓子をふるまわれ、宿帳を記入し、それと同時に夕食のメインディッシュの選択(後述)をした。

 

 

記入後、部屋へ案内された。
部屋は、離れ「柚子」。ここまでは靴のままである。

 

 

玄関に4畳ほどの畳のスペース、10畳の和室と広縁、8畳のフローリングのベッドルーム、三点セットの置かれた6畳のリビングルーム、ガーデンチェアやテーブルの置かれたテラス、広々としたトイレ、ダブルシンクの洗面所、独立した脱衣所、大きなガラス戸の開放感溢れた部屋風呂からなる。
和室のテレビは押入れに収納されており、エアコンも壁内収納型である。すっきりとしていて無駄が無い。

 

  

 

 

 

 

洋間は都会的センスに溢れ、女性好みのインテリアであった。 素晴らしい「離れ」だと思う。
庭は雑木林、ここ玉の湯の庭園は雑木林や自然のままの植物で統一されている。一見雑然としているようだが、よく見ると素晴らしく手入れがされている庭である。一本一本の草木が実に生き生きとしており、本当に土から手入れされていなければ決して見ることが出来ないであろう素晴らしさであった。

 

(応対)

スタッフの多くは女性である。フロントは洋服、部屋係は絣の作務衣姿であった。フロントは、きっちりとしたホテル風の応対、部屋係は旅館風の応対である。
皆、優しく丁寧で、とても好感がもてた。

 

(大浴場)

玉の湯では外風呂という。大浴場としては小振りな浴槽と露天風呂からなる。どちらも鉄平石の浴槽を檜で縁どりしたものである。露天風呂の周囲はやはり雑木林。

  

 

お湯が溢れている、上から注がれるだけでなく、浴槽の底からお湯の表面を持ち上げるように滔々と湧き出ている。浴槽からは、もったいないほどのお湯が溢れ出ている。
由布院のお湯は素晴らしい。この素晴らしいお湯が惜しげもなく溢れている。これほどの贅沢があろうか。

湯あたりのしないお湯なので、いつまでもつかりながら考えた。
「最近日本中で、部屋付き露天風呂が大流行であるが、限りのある湯量、どうやって供給しているのだろうか・・・・」

日本屈指の大湧出量を誇る由布院温泉、その中でも亀の井別荘と並ぶ源泉持ちである玉の湯の小さな大浴場。最高の贅沢である。三回入ってもまだ名残惜しかった。この外風呂のためだけでも又訪れたいと思う。
タオル類はとても上質なものが充分に用意されてあった。

 

(部屋風呂)

檜作りの大きな浴槽、大人二人が足を伸ばしてゆっくり入れる大きさである。 大きなガラス戸を開放すると半露天の趣も味わえる。

 

 

一晩中お湯を出しっぱなしにしておくようにと言われた。これはこれで他に類を見ないほど素晴らしいのだが、外風呂がそれ以上に素晴らしいので、宝の持ち腐れであった。

 

(夕食)

夕食・朝食とも、部屋・レストラン葡萄屋、お好みである。
とにかく量が問題、多いのである。

メインディッシュが選択になっている。
私が豊後牛の炭火焼、奥方がしゃも鍋を注文したが、シェアできるよう、それぞれ 1.5 人前出してくれた。その上、野菜に南瓜・薩摩芋・じゃが芋など腹の膨らむものも多いので、いくら昼食を抜いていても食べきれない。

お品書き

 

 

  

 

 

 

  

  

 

季節の小ばち (穴子・胡瓜・さらし茗荷、 胡麻豆腐)
  旬の山菜などの盛り合せ (押し寿司、鰻巻、百合根とむかご、菊花株、栗、笹茸 etc )   田舎風煮物 (茄子,南瓜、隠元、人参、薩摩芋、蒟蒻、お揚げ、椎茸の含め煮)
  大分の川・海の幸のお刺身 (鮎・鯛)
  季節のおすまし 又は スッポン

  メインディッシュ ―お好きなものをー
   ・豊後牛の炭火焼(ひれ or ロース)、鳥胸肉の炭火焼
   ・スッポン or 豊のしゃも鍋
   ・豊後牛の包み団子とスッポンのにこごり
   ・すき焼き
   ・しゃぶしゃぶ
  ご飯、お漬物
  自家製デザートあれこれ(バニラアイスクリーム or かぼすシャーベット or あんみつ or  桃のコンポート)

 その他に、お好みで、 

  

鮎の塩焼き、生ハム、揚げ豆腐、手打ちそば

量が多すぎるという宿泊客のクレームが多いため、別注にしたそうである。
今年最後の鮎と思い、塩焼きを頼んだが、皮が硬く香りもいまいちであった。鮎も終わりか・・・・・
御飯と漬物は食べきれない場合、夜食用のおにぎりにしてくれるということである。
ゆかりのおにぎりであった。

 

(寝具)

セミダブルサイズのツインベッドである。マットはかなり硬めであったが、思いのほか寝心地は良かった。

リネン類の肌触りは素晴らしかった。
浴衣は二枚用意されていた。

 

(朝食)

和食と洋食、どちらかの選択。

   

 

それぞれ注文し二人で両方を味見した。

和食

 フレッシュジュース(りんごジュースにレモンと人参を加えたもの)
   牛乳
   青菜のごま和え
   かつおのそぼろ
   ひじきの煮物
   くみ出し豆腐
   大分の海の幸いろいろ (鯵の干物 or 鮭の塩焼き or しらす干・生ワカメ・大根おろしのかぼす合え)
   玉子料理あれこれ (出汁巻き or 温泉玉子)
   田舎味噌汁
   御飯 or お粥、香物

洋食

 フレッシュジュースと牛乳
   自家製ヨーグルト
   特製野菜スープ (南瓜のスープ)
   玉子料理いろいろ (スペイン風卵焼 or プレーンオムレツ)
   季節の果物 (甲斐路)
   季節の野菜サラダ
 
 パン、トーストなど
   お飲物いろいろ (コーヒー or 紅茶)


新鮮な野菜、乳製品を使った洋食のほうが私としてはお勧め。フレッシュジュースは本当に美味しかった。牛乳もまさに産地のものであるし、ヨーグルトも実に肌理が細かい。野菜スープも絶品、生野菜は間違いなく美味しい。 しかし評判のフレンチトーストはオーキッドルームのそれには及ばなかった。

 

(ニコルズバー)

夕食後腹具合が落ち着いた頃、一人でふらっと出向いたが、外部の常連客ばかりであった。 良い酒が置いてある。 一流ホテルのメインバーの品揃えであるが、値段はとても安い。 地元の人も来やすいだろう。
部屋のキーを見たのであろう、気が付かないうちに名前と住まいをフロントへ行って調べ、「○○様」と名前で応対してくれた。

 

(帰路)

12 時発「ゆふいんの森2号」、博多駅まで 2 時間 15 分、そこから福岡空港までは地下鉄に乗り換える。

 

 

高速バスに比べてかなり時間がかかったし疲労感も覚えた。今後は高速バス利用が安くて便利かな。( 4,650 円 対  2,800 円)

 

(感想)

亀の井別荘と共通する所をいくつか感じました。離れを結ぶ回廊の雰囲気はそっくりです。 フロントや談話室、どことなく同じ雰囲気です。
また基本的な考え方とでもいいますか、「身体を癒す、心を癒す」ことを最も大事にしているのではと感じます。
誰にも邪魔されることなく静かで時間の流れを感じさせない雰囲気は、心を癒してくれます。
素晴らしい温泉(滔々と溢れるお湯と素晴らしい浴場)に浸かって、吟味された食材(生産から管理している・・・これはすごいことだと思います)を使った優しい料理で、身体を癒す。華美を極力廃し、自然を大切にした建物の造り。
めざすものは 「本物の湯宿」 なのでしょう。決して「料理旅館」ではありません。
この点では両者見事に一致していると思いました。

「湯宿」と「料理旅館」、両方の看板が揃うことは至難のことかもしれません。私が経験した宿の中で、両看板揃っていると思えるのは1軒だけでした。あと1軒が、なんとか・・・・

さて、亀の井別荘と玉ノ湯の違いについて述べてみます。
亀の井別荘の離れは「枯れた男の庵」、贅肉を削ぎ落とした書院造りの雰囲気の佇まい。玉ノ湯の離れは、「都会的な女性の隠れ家」、艶やかで華のある雰囲気です。
味付けは玉の湯のほうが濃いと思います。
自慢の野菜料理、亀の井別荘は野菜自体の豊穣の味をそのまま残していますが、玉の湯はかなり調理の味が加わっていました。
喫茶店の自家製ケーキ、自家製ジャムなども玉の湯製の方が濃い味をしていました。
私としては、亀の井別荘の味付けが好みですね。

食事の量は、断然玉の湯の方が多い。「もっといかがですか? おかわりはいかがですか?」
いろんな意味で、サービス精神は、玉の湯の方があるかもしれません。

残る御三家の「無量塔」はどうなのでしょうか? 来年は是非訪れてみたいものです。巷の情報からは、「働き盛りの男の隠れ家」か、なんて想像してしまいます。

最後に、あさばの「しゃも鍋」との比較です。
しゃもは、「肉」と「つみれ」の違いがあります。 主たる食べ方は「鍋もの」対「雑炊」と異なります。
一番の違いは、玉の湯では、ここに辿り着く前にすでに満腹になっているということでした。正しい味の評価は、もう出来ない状態でした。

やっぱり量が多過ぎるわ〜

2004年9月下旬訪問