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憧れの旅館・ホテル

俵屋再訪

 

今回は、「翠の間」。本館1階、俵屋を代表する「栄」「富士」「翠」のひとつです。なんと、この部屋には扉と鍵がついていました。 主和室8畳と約5畳の控えの間。三和土には大きな一枚木の机、一人掛けの椅子が置いてあり、部屋と三和土の境には竹作りの腰掛け(縁側のよう)があります。

  

庭は茶庭として素晴らしく手入れがされており、どの角度から見ても完璧です。主和室から立ち上がって見る庭、三和土の椅子に座って見る庭、それぞれ趣があります。庭には蹲踞がしつらえてあり、静寂のなかで手水鉢に流れ込む水の音が心を安らげてくれました。このことを仲居さんに話すと「この音がうるさくて眠れないというお客さんもみえるのですよ、栓を締めにとんでいきます。」と微笑みながらの答え。「人の好みは様々なんだな、応対する苦労も並大抵なことではないな」と今更ながら考えさせられました。また三和土に置いてある行灯が素晴らしい。月とススキの絵柄なのです。魯山人作とのことでした。風呂上がりに片隅の椅子に座ってビールを飲みながら、庭、行灯、部屋を交互に眺めているのは至福の時でした。

「翠の間」の風呂は洗い場が他の部屋よりも畳半分以上広いのです。その上ガラス越しの坪庭が二面あるため開放感を感じます。もともと槙の浴槽は清潔感あふれ、お湯の肌触りがとても良いので、風呂に対する満足感は温泉旅館に負けないくらいでした。

 

今回の夕食は、薄味ながらもしっかりとした「だし味」が感じられ、量もちょうどよく満足のいくものでした。鮃も鯛もとても甘く,脂の乗りも最高でした。一流料亭にも負けない料理だと思います。前回の不満は何だったのでしょう、季節の違いなのでしょうか。

 

  

 

寝具は、厚手の羽毛掛け布団とカシミヤ毛布をやや太番手の綿カバーでくるんだもの。敷き布団は前回と同じ3層構造でしたが、前回硬いと感じた寝心地、今回は苦になりませんでした。身体も予測していたのでしょう、朝までぐっすりと寝ることができました。

  

 

朝食、今回は洋食にしました。サラダドレッシング、オムレツに和風の味付けをほのかに感じたのは思い過ごしでしょうか。トーストは焼き加減素晴らしく、パンの味は極上でした。もちろん、フレッシュオレンジジュース、ヨーグルトは絶品です。

今月のお弁当は「初午ちらし」、定番の「天巻き」ともどもとても美味しいものでした。

スタッフのホスピタリティーは相変わらず素晴らしく、2回目の安心感と相まってとても心地良い滞在でした。俵屋さん、不思議なくらい心安まり、落ち着ける宿です。 1月に、パークハイアット東京に泊まり(パークルーム)、 NY グリルで食事をしてきました。費用は同じくらいだったように記憶しています。私としては、歳のせいでしょうか、俵屋さんのほうが、ずっと満足感は高かったですね。もちろんパークハイアットも素晴らしいホテルでしたが、もし両者が同じ都市にあれば、ためらわずに俵屋さんに泊まると思います。

帰り際、「栄の間」をみせてもらいました。部屋一面のガラスの向こうに緑の絨毯のような苔の庭、それを眺めることのできる椅子の配置、これまた素晴らしい部屋でした。さっそく予約して帰途につきました。

2004年2月中旬訪問