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憧れの旅館・ホテル
俵屋再々訪
タクシーが柊家さんの前に停まったら、反対側の俵屋さんから法被姿のあのおじさんがニコニコ笑いかけながら現れました。
柊家さんの方からは誰も出てきません。
不思議でした。先月同じ場所にタクシーが停まった時は、柊家さんの男衆がすぐさま現れたのに・・・・
ライブラリー横の坪庭には、見事な餅花が飾られていました。
今回の楽しみのひとつでした。
月末には、玄関先に出すそうです。
部屋は一階一番奥の「栄」、俵屋さんを代表する部屋のひとつです。
入口を入るとすぐに四畳程の和室、そこには掘り炬燵がありました。その向こう一段下がった庭に面した板の間、これが有名な庭を眺めるスペースです。椅子が一脚置いてあります。
「翠」でもそうでしたが、なにげない唯の椅子、これがとても座り心地が良いのです。見栄えはまったく良くないのですが、とても吟味された椅子だと思います。
それから八畳の主和室、曇りのまったくない、よく磨き上げられた大きなガラス戸の向こうは苔生した庭で、蹲いや灯籠がしつらえてありました。
脱衣場は俵屋さんにしてはとても広く、却って違和感を覚えたくらいでした。
お風呂は、宿に着いたときには既にお湯がはられていました。しかしその時は風呂に入らずに出かけたので「お湯が冷めてしまうなあ」と思いましたが、三時間程して部屋に戻ると、風呂のお湯は熱いままでした。再び温度調節してくれたのでしょう。
風呂上がりに、例の椅子に座ってビールを飲んで庭を眺めていたのですが、障子の位置がやや低く思え、目線に少しばかり圧迫感を覚えました。
(夕食)
献立ひとつひとつの味はなかなか良かったのですが、全体を通しての満足度にやや不満が残りました。「口当たり」、「舌触り」にもう少しコンビネーションがあっても良いかな、といった印象でした。
(寝具)
相変わらず豪華な寝具です。
カシミヤの毛布でしょうか、それとダウンの掛け布団を一枚のシーツで覆ったものですが、夏と同じ薄い絹のナイティでも寒さはまったく感じず、とてもホカホカして暖かい寝心地でした。ただ、ここの綿シーツがややざらざらしているのが少し残念なことです。
マットはやや硬めですが、ちょうどドイツ車のシートを思い起こしました。日本車からドイツ車に乗り換えた頃「なんて硬いシートなんだ」と感じましたが、慣れれば、その硬さが却って腰に「楽さ」を与えてくれるように思えてきたものでした。
フワフワのクッションは最初気持ちよいのですが、だんだん沈み込みが苦痛になってきます。
(朝食)
起き抜けに、フレッシュオレンジジュースかヨーグルトが出ますが、今回のジュース、甘さが少し足りないように感じました。季節はずれなのでしょうか。
ぐじの干物の皮がとても美味しく、また半熟玉子やシラス干しのそぼろも絶品でした。
(感想)
「富士」・「翠」・「栄」、それぞれ個性に溢れた部屋でした。 部屋の面白さから言えば、「翠」、「栄」でしょうか。
次は桜の4月、その次は紅葉の11月、それぞれ違う部屋に挑戦したいものです。
11月、最も紅葉の時期の週末、18室の内、3室しか空きがありませんでした。
一年も先だというのに・・・・
2004年12月下旬訪問