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憧れの旅館・ホテル

帝国ホテル東京

 

日本を代表するホテルである帝国ホテル、今まで私にとって敷居の高いホテルであった。しかし、文字通り「憧れのホテル」巡りをする者にとって欠かすことのできないホテルであるという気持が抑えきれず、今回訪れてみることにした。
昨今、東京は外資系ホテル花盛りである。私もパークハイアット東京やフォーシーズンズ丸ノ内を訪れたが、それらと比較するには同じ料金レベルの部屋でなければならないと思い、改装なったインペリアルフロア・デラックスツインを選んだ。

 

 

雑誌やHPで見るエントランスは荘厳かつものものしい雰囲気を想像させたが、実際にはさほど豪華でなく、思ったよりもシンプルな造りであった。
ロビーは日柄がよいのか結婚式の参列者と思わせる装いの客やビジネスマンや外国人で賑わっていた。
ラウンジや喫茶コーナーはどこも行列であった。

  

チェックインをすまし若いベルマンの案内で部屋にむかった。チェックアウトともどもフロントマンはとても感じが良かった。
部屋は15階、インペリアルフロアー、当然の如く禁煙エリアである。
エレベーターを降りたフロアには和服姿の若い女性二人が待ち構えていて溢れんばかりの笑顔で迎えてくれた。
エレベーターに乗るときは彼女たちがエレベーターを呼んでくれる。

  

ウイングへ延びる廊下にはルームカードを差し込まないと開かないガラス扉がありセキュリティに対する配慮がうかがわれた。
廊下のインンテリアはすっきりとしており、どことなく和の雰囲気。


部屋に入るとベルマンの型どおりの説明があった。好感の持てる応対であるが、一流ホテルとしては当然のレベルであろう。
部屋は42u、窓からは日比谷公園、皇居が見渡せる。

  

  


落ち着いた雰囲気で上品である。しかし液晶テレビや冷蔵庫を収納するキャビネットはどことなく雰囲気にそぐわない。
そこだけ妙にクラシカルなのである。リニューアル前の部屋の備品をそのまま使っているのではとさえ思える品であった。

  

 

サービスのミネラルウォーターと煎茶ティーバック、コーヒー、紅茶バックがあったが、煎茶は茶葉を置いて欲しいものだ。
ソファーはないが座り心地の良い肘掛け椅子とロッキングチェアとオットマンがあった。
窓のカーテンはベッドサイドテーブルから電動で操作できる。

  

気になったのは部屋の乾燥。加湿器を借りたが、それでも追いつかないくらいであった。これはホテルの宿命かもしれない。

 

(バスルーム)

摺ガラスで仕切られたトイレスペース、バスタブ・シャワーブース一体型のバスルーム、洗面台からなる。
壁掛けのテレビも備え付けられてあった。

  

シャワーは固定式のレインシャワーとハンドシャワーからなる。椅子も置いてあった。
バスタブは広く、自動給湯システムであり湯量のチェックをしなくともよいのはとても嬉しい。
給湯排水とも、とてもスムーズである。

  

身体の汚れを洗い流すことに主眼を置く欧米人と異なり、湯浴みをこよなく愛する日本人にとって、バスタブとシャワーブース一体型のバスルームは理想に近いものだと思う。
「お湯に浸かる前に局所を洗いたい。洗った汚水で溢れるバスタブなんぞに浸かりたくない。シャワーブースから出て別の場所にあるバスタブまで行くのは面倒くさい」という日本人は多いのではなかろうか。
私自身、ホテル選びの大切なポイントである。

バスタオルは、とても上質であった。ウォッシュレットトイレの操作盤に点字があったのは始めてである。

 

(寝具)

硬すぎず、柔らかすぎず、寝心地の良い素晴らしいベッドであった。シモンズのベッドであった。
掛布団も上質のダウンであろう、使い心地はとても良かった。シーツの肌触りはまずまず。枕もダウンと思われるが弾力は丁度よかった。
今まで経験した中では最高のベッドである。寝心地の良さに朝寝坊をしてしまい、朝風呂を楽しむ時間が無くなってしまったのはとても残念であった。
ナイトウェアは浴衣であった。はだけて下着一枚で寝ているのと同じ状況になってしまうが、寝心地が良かったので許せた。

 

(夕食)

今回の上京ではイタリア料理を食べたいと思っていた。
ホテル内のイタリア料理店が閉店となっていたのでホテル外の店に変更した。

選んだ店は【アロマクラシコ】

品川駅前の広大なオフィス街、その一角にあり窓からはオフィス街の庭園が見渡せる。シンプルでモダンな造りの店であった。

  



前菜とパスタはどことなく日本風。
わたり蟹のパスタは蟹臭く、相方が選んだ野菜のパスタのほうが美味しかった。
メインの「処女牛のビステッカ」は絶品であった。

50分かけて焼くという触れ込みであったが、くどさを感じさせず口当たりも素晴らしく絶妙の柔らかさであった。ルッコラとモスタルダのピューレとの相性も素晴らしかった。気になったのは、処女牛というネーミングである。処女牛というのは未経産牛のことであるが、ブランド和牛としては当然のことである。おどろおどろしいネーミングは品格を落とすものではないだろうか。

 

(朝食)

レ・セゾンでの朝食

  

レ・セゾンブレックファストを選んだ。アメリカンブレックファストと異なるのはジュースが絞りたてであること、卵料理がオリジナルであることであった。
フレッシュオレンジジュースは本当に美味しかった。最高の味であった。卵料理は少しばかりくどかった。朝は定番の玉子料理のほうが良いかもしれない。
パン類はフレンチトーストに差し替えた。最近はフレンチトーストの食べ比べも楽しみの一つとなっている。バケットのフレンチトーストであった。皮の部分のサクサク感は絶妙、これも素晴らしい味であった。


ここで特筆すべきは、サービスの良さ。
スタッフの数も充分、こちらが必要とする気配を察するとすぐやってくる。終わった皿を下げるタイミングも素晴らしい。心地よいリズム感を楽しむことができた。話し方もフレンドリーであるが充分節度の利いた応対であり会話も心地よい。オーキッドルームでの朝食も大好きなのであるが、スタッフの数の多さではレ・セゾンに及ばない。充分なスタッフの数はサービスの基本の一つであるということを再認識した。

 

(感想)

帝国ホテル、とても素晴らしいホテルでしたが、それでもいくつか不満を感じました。
ドアマン、ベルマンから張りつめた雰囲気を感じないことです。そのためエントランスやロビーの空気に澱みを感じてしまいました。日本旅館でも名旅館と呼ばれる宿は、どこか凛として清々しい空気を感じます。ホテルでもそうではないでしょうか。特に若いスタッフからは、そういう空気を感じることが出来ませんでした。年輩のスタッフの応対が素晴らしいのに残念です。
朝刊は何も聞かれずに「朝日新聞」でした。宿泊客の希望を取り入れてもよいのではないでしょうか。ホテルオークラのように「日経」・「読売」・「朝日」、三紙も届くともっと嬉しいのですが。
それから、ここ帝国ホテルもホテルオークラも「和」のテイストを取り入れようとしていると感じます。しかし、もともと「洋」のものに「和」を入れるとどこかアンバランスなところを感じてしまいます。「洋」そのもののデザインで統一できる外資系ホテルに比べて弱点となるのではないでしょうか。これは今後の大きな課題だと思います。


ともあれ、バスルーム、ベッド、レ・セゾンでの朝食は「素晴らしい」の一言でした。

 

帝国ホテル東京の予約の際の参考に