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憧れの旅館・ホテル
海石榴再々訪
湯河原に訪れても海石榴を素通りするこの頃であったが、大規模なリニューアルがおこなわれ部屋露天風呂付和洋室ができたとのこと、数年ぶりの訪れが実現した。
宿に到着すると以前と同じようにロビーで薄茶を振舞われたが、改装されたというフロントロビー、以前の記憶がさだかでないので変わったという印象が薄い。しかし御土産コーナーの場所が移動し、かつて御土産コーナーがあった場所から格子戸越しにロビーを見下ろすことができるようになっていた。
部屋は本館2階の「袖隠」。
そこで改めてお煎茶とお菓子が出た。求肥のお菓子であったが、なかなか美味しかった。
入り口に4畳ほどの踏み込みがあるが、そこから主和室、寝室、風呂場、トイレとそれぞれに繋がっている。
主和室は12畳の広さがあり、床の間のしつらえも品が良い。片隅には大型の液晶テレビが置かれてあった。
主和室からも寝室が繋がっている。
フローリングに改装された室内は、セミダブルサイズのツインスタイル。
かつての押入れには電話やCDプレーヤー、電気スタンド等が置かれているが、ベッドと柱がくっついているのでベッド越しに利用することになり、不便極まりない。
ベッドサイドテーブルは無く、頭側の壁際に物を置くスペースが作られてあった。
主和室の外には濡縁(テラス)がある。かなりの広さの濡縁であるが3階があるため庇が大きく雨に濡れる心配は無い。
2階といっても地形の関係で実質1階である。濡縁の向こうには池がある。
池の端からは1階の庭にある池へ水が滝のように流れ落ちていた。その水の音が「かじかガエル」の泣き声と相まってなんともいえない風情であった。
濡れ縁の一方の端には、お目当ての露天風呂がある。濡縁にはデッキチェアなども置いてあり、湯上りに池を渡る風が心地良い。
(部屋風呂)
シングルシンクである。露天風呂との間にはシャワールームがある。
アメニティグッズはなかなか充実していた。
女性用のグッズはよく研究されていると思うが、こと男性用になると首を傾げる宿が多い。若い男性はいざ知らず、中年以降の男性は整髪料のお世話になることが多いと思う。宿に用意されていると荷物が少なくなりとても助かるのであるが、どの宿も匂いの強いものしか置いていない。匂いをプンプン振り撒くような昔ながらの整髪料である。せめて微香性のものを用意してくれるとありがたいのだが。
着心地の良いバスローブが用意されてあったが、バスタオルは一人一枚分しか用意されてなかった。高級旅館の看板を出すならば、一人二枚が標準ではないだろうか。
露天風呂は、伊豆石の浴槽を桧で縁取りしたもの。大人二人がゆったりと入ることができる大きさである。沸かし湯であるのが少々残念ではあるが、清潔感溢れ、眺めも良く、充分楽しむことができた。
プライバシーも充分守られているようである。ここの大浴場や露天風呂は面白みが無いので、部屋露天を何回も使用した。奥湯河原は温泉の湧出量に限りがあるのだろうか?
夜には所々ライトアップされていて、湯浴みを一層楽しむことができた。
(夕食)
冷酒のリストは「久保田・萬寿」、「黒龍・大吟醸」それからオリジナルの「海石榴」の三種類。
全部頼んだ。「海石榴」、他の二種とは差を感じた。
料理は、まさに「海石榴」風。
癖が無く、きりっとした鰹出汁は独特のものだと思う。昆布出汁の好きな私でも、ここの鰹出汁はとても美味しいと思う。
量に関しても、決して少ないとは思わなかった。
先付:豆富の付け汁はまさに「海石榴」。食前酒は自家製枇杷酒。
前菜:手の込んだものをきちんと作っていると思う。
椀物:今回は昆布出汁であった。しかし熱々でなかったのは残念。
向付:醤油がたまりであったのは個人的には残念。
炊合:味が濃いのにはびっくり。
焼物:狩野川産とのこと。上品な香りであった。蓼酢はいらない。
進肴:やはり付け汁は絶品。
温物:これぞ真骨頂。素晴らしい出汁味であった。合鴨丸も申し分なし。
止椀:これも出汁加減が丁度良く、とても美味しい。
水菓子:果物が甘ければ大満足であったのだが。画竜点睛を欠く。
(寝具)
なかなか厚いマットであるが、弾力が多に波及して満足とは言い難い。
リネン類の肌触りは普通。まあまあの寝心地というところであった。
浴衣は1枚であったが、寝巻き用の作務衣が用意されてあった。
(朝食)
朝食の前に、お煎茶と紫蘇巻と梅干が出た。
全体的にとても美味しい朝食であった。
鮪の炙りは少し生臭く、朝からは不要である。この代わりに出汁巻きをもっと大きくして欲しいと思うのはわがままか。
やはり饂飩の汁は絶品。お代わりが欲しいくらいであった。
カマスの味はまずまず。
炊合せは夕食と一変して薄味であった。この方が好みである。
お粥と御飯の選択ができる。素晴らしいお粥であった。もっちりした食感といい塩味といい最高である。
キーウィはとても甘かった。葡萄はめんどくさいので残してしまった。
食後のコーヒーは大浴場近くのサロンでサービスなのだが、部屋数とサロンの席数がミスマッチ。案の定、客待ちができていた。
コーヒーの味はいまいち。
(その他)
「指月」・「迦葉苑」、かつての名旅館が人気もなく寂しく佇んでいた。
なぜ続々と廃業したのだろうか?
迦葉苑の隣にある新しい宿泊施設の予定地は地縄が張られているだけであった。
2008年6月中旬訪問