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憧れの旅館・ホテル
海のしょうげつ
名古屋市南部から知多半島道路に入ると、走行する車も少なく快適であった。 30 分もしないうちに南知多ICに着いた。そこから内海の街中まであっというまである。
内海の街中で宿に電話をしたら、曲がるべき場所やポイントを教えてくれた。
幹線道路から左に曲がると、すぐ目の前の高台に宿の建物が見えた。
そこから先は細い山道で、対向車がくると大変である。所々に擦れ違うための道幅の広い場所があるので、慣れると問題ないと思われる。
ほんの数分ほど走ると宿への分岐点があるのだが、ちょうど車が停まっていてそれに気を取られていたせいか道を間違えてしまった。
電柱に張られていた控えめな道案内を見逃してしまったのである。停まっていた車のカップルは電柱の案内を確かめていたのかもしれない。
道なりに右カーブしていくと、ますます狭くデコボコ道になってしまった。
そして「この先、行き止まり」の案内である。なんとかUターンして目印になりそうな場所から宿に電話したら、それは分岐点のすぐそばであった。
迎えの車の案内で分岐点から左に入ると、造成中の畑が眼に入り反対側には伊勢湾の展望も開けていた。
そしてその先がめざす宿であった。
車止めで車を停め、キーを預けて落ち着いた雰囲気の門の中ヘ進むと玄関があり、そこで靴を脱ぐ。
まずはセンター棟のロビーで一服。
暖炉があったが、まだ火は入っていなかった。
またロビーの一隅にはギャラリーがあり、セルフサービスのお茶類やドリンクも用意されてあった。
ギャラリーにはCDやDVDが置いてあり、好きなものを部屋へ持っていくことができた。
バルコニーからは内海の町や伊勢湾が一望の下に見渡され、この建物を見上げたであろう場所も見ることができた。
お茶と柿大福を振る舞われ宿帳に記入した後、離れへ案内された。
部屋は平屋タイプの「空の三」である。
まだ造られたばかりの中庭にはモミジなどの広葉樹が植えられていた。成長すれば紅葉が楽しめるだろう。
離れの玄関で館内履きから部屋履きに履き替える。
館内履きはとても履き心地の良いものであった。
離れに入るとフローリングのリビングスペースと畳敷きのベッドスペースがある。
リビングには薄型の大型テレビとDVD装置、一人掛けの椅子2脚とセンターテーブル、それからエクストラベッドかと思える小振りのベッド様のものがあった。
一人掛けの椅子は思いのほか座り心地が良かった。
部屋の隅には三脚にセットされた双眼鏡が置いてあったが使うことはなかった。
ベッドスペースにはセミダブルサイズのツインベッドがある。
無料のミネラルウォーター2本、お茶やドリップコーヒーのセットがあり、冷蔵庫には有料のビールやジュースが入っていた。
部屋露天風呂と眺望
洗面台はシングルシンク。アメニティグッズは貧弱である。男性用の整髪料は備えられていない。シャワーブースがあり、そこから濡縁にある露天風呂へ出ることができる。
バスタオルは 1 セットしかなかったが、バスローブは用意されてあった。
露天風呂は石造りであり、大人二人がゆったりと入れる大きさ。そこからの眺めは素晴らしい。
この日は曇天であった。夕焼けを期待して行ったのであるが、
晴れ間が拡がるのが遅く綺麗な夕焼けを拝むことはできなかった。
日没時、西の空には邪魔をするように厚い雲がかかっていた。
真っ暗になると内海の町の灯りがともり、船の灯りも見ることができた。
この頃には雲が無くなったのであろう、伊勢湾の対岸の松坂や伊勢と思われる町の灯りも見ることができ、夜の露天風呂を楽しむことができた。
大浴場
センター棟 1 階にある。
男女別に分かれた小振りの大浴場である。二度入ったが二度とも他の客とは出会わなかった。 ここには男性用の整髪料が用意されてあった。
浴槽は石造りであり、ガラス戸の外は海が見渡せる。朝は雨上がりの曇天であり、眺めは悪かった。
夕食
センター棟 1 階、大浴場の隣がダイニングルームへの入り口である。コンクリート打ち放しの壁と間接照明がモダンな雰囲気を醸し出していた。
曇りガラスで仕切られた椅子仕様の個室であるが、入り口は素通しである。
個室のガラス戸の向こうはテラスになっているが、この気候では使われないであろう。ここからは内海の町の夜景も綺麗であった。
朝食時は伊勢湾の眺めも楽しめた。
食前酒は発泡(スパークリング)日本酒。地元の中埜酒造の酒である。話の種にはよいが、あまり美味しいものではなかった。
食中酒も中埜酒造の酒を選んだ。国盛は癖が無く、初めて日本酒を楽しもうという向きにはとても良い酒だと思う。
先附は箱の蓋の上に乗っており、食べ終わった後でその蓋を取ると、箱の中は口取りの品々であるという趣向である。少しばかり過剰演出のきらいもある。
潮汁の出汁はまったく駄目であった。
魚類も鮮度の良さは充分感じるが、甘みに欠け、旨いといえるほどの味ではなかった。 デザートの白胡麻のブラマンジュ、「あさば」のそれを知った後では、とてもブラマンジェと呼べる代物ではない。
お夜食に、おにぎりが用意されてあったが塩味が足りなかった。
寝具
ベッドマットはシーリー社製、なかなかの寝心地であった。
リネン類の肌触りが良くなかったのは残念。ごわごわした肌触りのシーツやカ バーでは、せっかくのマットの良さも半減する。
ベッドルームにCDデッキがあるものの、寝ながらテレビを見ることはできなかった。
館内着はチャイナ服風の上着が用意されていたが、半纏無しで歩く様は中華料理店の店員の行進みたいである。寝巻きには着心地の良いパジャマが用意されてあった。
朝食
トマトジュースかりんごジュースの選択。りんごジュースは普通の味であった。
数種類の干物を目の前のコンロで焼いて食べるのであるが面倒であった。おかずの品数が多いので、ちょうど良い焼き具合を見計らうには、とても忙しい。
夕食の伊勢海老の殻を使った味噌汁であるが、出汁に深みが無い。
すくい豆腐、なめ茸ともずくとシラスときゅうりの酢の物、茸とアサリの甘辛煮は、とても美味しかった。
出汁巻き玉子は腑抜けた味。
お粥とご飯の選択ができる。もっちりとした食感のお粥、なかなか美味しかった。
漬物もまずまずの味。
料理全般にいえるのだが、出汁を効かすべき味付けに物足りなさを感じた。それが改善されれば、もっと満足度が上がるのだが。
眺望
明け方には雨も上がり、次第に晴れ間が拡がってきた。
遠く志摩半島や、その先の答志島と思える島影も見えた。
青空には、これからまさにセントレアに着陸しようとしている旅客機もはっきりと見えるようになってきた。
素晴らしい眺めである。朝食後、部屋露天での朝風呂もとても楽しめた。
接客
旅館風というよりもホテル風の接客。よく教育されている感じで好感が持てた。
「世の中、接遇教育が広く行き届いてきたな」、という思いにかられた。
感想
オープン2ヶ月の新しい宿ですが、良かった所・物足らなかった所が混在していました。老舗旅館の出店なのですから、本来、物足らない所があってはいけないのでしょうが、それらは改善不可能な事柄ではなく簡単に直せるところだと思います。更なる発展が期待できる宿だと思います。
料理についても駄目というわけではなく、もう一歩高みを目指して欲しいと思いました。それができるレベルだと思います。
今のままでは、少しばかり料金に見合わない宿となってしまうでしょう。
宿を出る時、お土産を貰いました。帰宅して開けると「しらすの佃煮」でした。
やや甘口ながら、とても美味しいものでした。
2007年11月中旬訪問