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憧れの旅館・ホテル

倭乃里

 

シルバー・ウィークの真っ只中に高速道路を走ることは無謀なことと思い、公共交通手段を用いることにした。
名古屋駅発の「ワイドビューひだ」である。

 

高山盆地はのどかな風景を見せており、黄金色に実った稲穂が見事である。

 

列車が高山駅に着くと、送迎車が待機していた。 20 分ほどで宿に着いた。

 

雑誌などでよく見かける門構えである。
ここで待ち構えていた男性スタッフが荷物を持ち、中へ案内してくれた。
古民家風の母屋である。

 

土間の真ん中には囲炉裏があり、その周りが畳敷きになっている。

 

囲炉裏には火が燃えていた。暑いとは思わず、暖かいという感じであった。
ここでお菓子とお茶をふるまわれ、一服した後に離れへ案内された。

 

離れ「天領」は母屋のすぐ横にあった。建物の右側には有名な水車が見える。

 

間取り図

 

鬼瓦や屋根瓦を使った、奇妙なデザインの玄関である。

 

部屋へ入ると、そこは洋風というか和洋折衷の居間。
もう炬燵が設けられてあった。

 

部屋の真ん中には、大きな木そのままの柱がある。

 

部屋の隅には、ロッキングチェアや薄型のテレビが置いてあった。
部屋は湿った匂いがしていた。

 

隣りには一転して、端正な和室がある。

 

部屋の外には広いベランダがあり、木立の向こうに宮川のせせらぎを見ることができる。
川の手前には、散歩道もあった。

 

右手の建物は母屋

 

散歩道から見た「水車」と離れ「天領」のベランダ。
左端の建物は母屋である。

 

やはり散歩道からみた「天領」と母屋。

 

和室の横には踏込みがあり、そこの押入れがクローゼットとなっていた。

 

ピンクとグリーンの袋はアメニティ入れ。その下には浴衣が二枚、羽織、ちゃんちゃんこが置いてあった。
下の段は冷蔵庫。


 

踏込みの先は洗面脱衣所。
高山らしい一枚木の洗面台であるが、アメニティグッズは貧弱。

 

 

部屋風呂は, かなり広めの桧の浴槽。

 

トイレは広々としていた。

 

(大浴場)

大浴場は母屋の階下にある。
湯上りに、冷たい麦茶が用意されてあった。

 

岩をくりぬいた岩風呂と桧風呂を交互に使用する。
岩風呂の方には、水風呂もあった。

 

夜中で交代になるため、翌朝に入った桧風呂。

女将の話では地下 490 mで掘り当てた温泉とのことであるが、成分表は掲示されてなかった。

 

(夕食)

母屋の食事処で食べる。
予定の時間になると電話が鳴った。母屋の囲炉裏では川魚を焼いていた。

 

部屋は母屋の屋根裏を改造した個室であった。
暗くてよくわからないが、春慶塗の豪華な床の間があった。

 

酒は冷酒三種類、「大吟醸臥龍桜」・「大吟醸氷室」・「純米吟醸杜氏の持ち帰り酒」を、それぞれ頼んだ。
「臥龍桜」は少し甘かった。「杜氏・・・」が最も好みであった。

 

食前酒は「無花果酒」

 

 

献立には載っていない料理。
料理長自らが持参してくれた。とても美味しかった。



囲炉裏で焼いていた子持ち鮎。頭から丸ごと食べることができる。


 

姿造りの鮎の骨煎餅・天然の舞茸の天麩羅。
これも実に美味しかった。

 

 

 

ひだ栃の実ざるうどん、とても美味しかった。
やや甘めの漬物も、好みの味だ。

夕食は予想外であった。
実のところ、あまり期待せずに訪れたのであるが、とても美味しかった。ひとつひとつの料理がきっちりと作られてあり、しかもほのぼのとした味であった。
郷土料理としての味の濃さはあるものの、決してくどくなく、大食漢でない我々でも腹にこたえなかった。

 

(かっぽ酒)

食後に囲炉裏端で男性スタッフが竹に入れて温めた酒を振る舞いながら、手品を見せたり語りをしたりしていた。申し訳ないが、二時間は長すぎた。


 

部屋にもどると、夜食のおにぎりが置いてあった。
塩加減、握り加減が絶妙で、素晴らしく美味しかった。
海苔を巻かなくて、これほど美味しいおにぎりは珍しい。

 

(寝具)

和室に布団が敷かれてあった。
三好和義氏の写真集にも同じような光景があったように記憶している。

 

一見、分厚いように見える敷布団であるが、横たわるとペチャンコになって背中に畳を感じた。
予備の敷布団を拝借して、なんとか不満を感じない程度の寝心地にできた。

 

(朝食)

母屋の大広間で食べる。

 

部屋数が少ないせいか賑わしい感じは無く、落ち着いて食べることができた。
ガラス戸の向こうは、川であった。

 

自家製の野菜ジュースから始まる。

 

 

岩魚の塩焼きは丸ごと食べる。美味しかった。
絶賛できるほどの朝食には遠いが、不満を感じるものではなかった。
夕食のレベルからみれば差を感じる。

 

(応対)

一生懸命さは充分伺えるが、接遇教育が行届いていないきらいも感じた。 接遇教育をやりすぎると、皆、ロボットのように感じてしまうのだが、難しいところである。
女将の饒舌さには少しばかり辟易とした。

 

(その他の、離れ)

「臥龍」

 

「位山」と「苅安」

 

(感想)

あの夕食なら、また食べてみたいと思う。
しかし、離れの料金ではコストパフォーマンスは良くない。母屋の部屋でよいのではないだろうか。どの部屋でも料理の内容は変わらないとのことだった。

 

 

送迎車で高山駅まで送ってもらい、そこから路線バスで上高地へ向かった。

 

途中も、のどかな風景が続いていた。


 

平湯トンネルを越えるとスリリングな場所に出た。
高所恐怖症の私にとって、ぞっとする道路である。

 

そこを下りきると、平湯温泉のバスターミナルであった。
ここで上高地行きのバスに乗り換える。

驚いたのは、バスの座席数しか乗客を乗せないということ。山岳地帯を走るためバス内で立つことはまかりならないらしい。そのため行列していた多くの客が、ターミナルに取り残された。
彼らの、その後の運命は知るよしもない。


平成21年9月下旬訪問

倭乃里の予約の際の参考に