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憧れの旅館・ホテル

山乃尾

 

金沢駅で降り東口に出ると、巨大なガラス張りドームがあった。 「もてなしドームといい、雨や雪を遮り観光客をもてなすドームなのだ」とタクシーの運転手が言っていた。
その先には奇妙な形をした木製の門があった。これは鼓門といい、能の鼓を形取ったものらしい。良いか悪いかは別として、印象に残る建造物である。

  

戦災を免れた城下町独特の迷路のような細い道を進み、坂を登ると「山乃尾」の駐車場に着いた。

  

タクシーを降り、「山乃尾」と書かれた門をくぐると、さらに道が続いていた。

その先には再び門があり、それをくぐると料亭の本館の玄関に出た。

  

そこまで来ると玄関左手の建物から和服姿の女性が現れた。名前を告げると離れへ案内してくれた。離れは本館玄関の右手から中庭へ進む。そこには数軒の離れが点在していた。

  

その中の一軒に入り、そこで薄茶とお菓子を振る舞われた。

  

部屋は 12 畳の和室であった。青畳が気持ち良い。壁は鮮やかなベンガラの朱色をしていて最初は驚いたが、すぐに気にならなくなった。

広縁からは金沢の町並みが見下ろせ、真下には観光スポットとなった「ひがし茶屋街」が見えた。

観光客で賑わっていた。

広縁と反対側の窓からは、中庭(日本庭園)を見ることができた。

広縁の両端は水周りとなっており、片方はトイレスペースである。

  

もう一方は、暖簾の向こうが浴室スペースであり、小さな洗面台とホーロー浴槽の風呂場があった。風呂場は 1,25 坪程度の広さで、普通の家の浴室の感じである。

  

  

夕食

酒は「手取川」大吟醸。やや酒の味が強いが、なかなか美味しかった。
料理は、すべてが美味しかった。

  

全体的に味付けが濃いめに感じたが、それは加賀料理の特徴ではないだろうか。 しかし予想外であったのは、出汁の味が上品で京料理を髣髴とさせるものであったことである。
蟹は「加能蟹」といい、金沢港で水揚げされた物とのこと。三国や橋立の蟹に勝るとも劣らない味であった。
香箱蟹も臭みがまったくなく、上品な出汁味と相まって素晴らしい味であった。この味は産地以外では決して味わえないであろう。
焼き蟹は仲居さんが目の前で焼いてくれたが、甘さといい、もっちりとした食感といい素晴らしかった。蟹は焼き蟹が一番好きだ。
温物の鱈白子、揚げてあり絶妙の味加減。しかし治部煮の後では少しばかりくどい。健啖家なら大喜びするだろうが、やや高齢化してきた胃袋には負担であった。
漬物は絶品。これほど美味しい漬物にはめったにお目にかかれない。
水物のメロンと苺も美味しかった。

器も素晴らしく、眼を楽しませてくれた。おしどりのお椀は大正時代の物だそうである。冶部煮用のお椀も別にあり素晴らしい物であった。

  

寝具

敷布団は、薄いウレタン系マットと薄い綿布団。少しばかり背中が痛かった。掛け布団はダウン。リネン類の肌触りもとても良かったので、敷布団が良ければ素晴らしい寝心地となったのに。
浴衣は一枚しか用意されてなかった。

  

朝食

魚が二種類も出たのには驚いた。
夕食と違い、とても薄味であった。漬物は夕食にもまして美味しかった。
全体的にまずまず美味しかったが、水物は酸っぱく、コーヒーは薄すぎた。

  

接客

旅館の部屋係というより、料亭の仲居さんという感じ。 さすが格式ある老舗料亭の仲居さん、雰囲気といい知識といい、なかなかのものであった。
ちょっとしゃべりすぎが難であったが。

 

ひがし茶屋街

「にし茶屋街」・「主計町茶屋街」と並ぶ、金沢三大花街の一つである。
かつての町並みがきれいに改装され観光スポットとなっている。

紅殻格子の建物の中は、御土産屋や喫茶店となっているものが多い。
ここでも中国語が飛び交っていた。

  

突き当たりの最も高い所にあり木立も間からわずかに見える建物が、宿泊した離れである。

 

兼六園

「雪の兼六園」を期待して行ったのだが。

雪は所々に見受けられたが、雪の風情には程遠かった。
途中から雨に加え、風も出てきたので早々に帰路に着いた。

カメラのレンズにも雨がかかるようになってきた。

2008年2月初旬訪問