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憧れの旅館・ホテル

著莪の里 ゆめや

 

東海道新幹線、上越新幹線を乗り継ぎ、長い電車の旅であった。
上越新幹線の車両は二階建で天井が低い。
道中はトンネル又トンネルであり、天井の低さ、ほどほどの揺れ、窓の外の暗闇とが相まって、飛行機の中にいるような錯覚を覚えた。

  

太平洋側の快晴の天気も、県境の長い長いトンネルを抜けると吹雪。
越後路も山間部から平野部に進むにつれて雪は止んできた。

 

 

 

燕三条駅からタクシーでおよそ30分、パラパラと民家が立ち並ぶ一角から少し入ったところに、木々で囲まれた「ゆめや」 がある。

  

駐車場の脇に門があり、若い女性が迎えに出てきた。
そこから石畳の道を少しばかり歩き、小川の橋を渡ると、やがて玄関前に出た。 雪道を歩くのは心が躍る。

  

  

  

 

まずサロンでお茶とお菓子を振舞われ、宿帳に記入をすます。
同時に夕食の飲み物や好き嫌いを尋ねられ、それが済んだところで部屋へ案内された。



この宿の廊下は絨毯であり、基本的にスリッパがない。

  

 

部屋は「早蕨」、三好和義氏の写真集「和の楽園(日本の宿)」で紹介されている部屋である。
12畳の主和室、3畳の化粧室、広縁とリビングがあり、それ以外にも炬燵が用意された6畳ほどの和室があった。
すっきりとして無駄が無く、落ち着ける部屋だと思う。

  

  

  

 

トイレはゆったりとしており、なかなか立派な作りであった。

 

庭には雪が積もっていて風情ある眺め、これが楽しみで遠路はるばるやってきたのである。
雪景色は本当に綺麗だ。


 

(応対)

若い女性がほとんどである。作務衣というよりも太刀掛風の装いで、きびきびと立ち回っていた。
皆、笑顔が素敵で、良く教育されていて、なかなか心地よい応対であった。

フロントも部屋係も区別がないように感じた。

 

(大浴場)

総檜造りの浴室、お湯の匂いがあまりなかったので、檜の香りが満ち溢れていた。
脱衣場には、かなり上質なタオルが豊富に置いてあった。





大浴場から出た廊下に、ひと休みするスペースがあり、冷水と常温水のサービスがあった。
アルコール類やジュース類があれば言うことないのだが、我がままかな。


 

(露天風呂)

岩造りである。お湯は硫黄の匂いがして、塩辛かった。
久しぶりに温泉の匂いを嗅いだ気分がした。

子供の頃は、温泉というと、この匂いを想像したものだったが。

 

(部屋風呂)

檜造りの浴槽である。

  

中庭に面して露天風呂がある。陶器製の浴槽で貯めっぱなしのお湯を自動調節で一定の温度に設定してあるが、この温度が実に快適であった。

 

(夕食)

「料理長おまかせ」 をたのんだ。
懐石料理とは言い難いが、野菜の美味しさには驚愕した。
出汁は鰹主体の味、派手さはないものの素材の美味しさを充分生かした素晴らしい料理、心のこもった味わい深いものであった。

 

 

  

 

 

  

  

 

(寝具)

厚いウレタン系マットと、薄めのウレタン系マットの二枚組。
分厚さは充分であったが、ややボコボコした弾力が不満。

  

リネン類の肌触りは普通。
翌朝用の新しい浴衣以外に、パジャマが用意されていたが、とても着やすく嬉しかった。

 

(朝食)

オープンキッチンか食事処の個室で食べる。和洋どちらでも可。
玉子料理は、出汁巻き・温泉玉子・オムレツ・スクランブルエッグ・目玉焼き、からの選択である。
味噌汁は青菜かアサリの選択であり、いりこ出汁味と思われた。
焼き魚は口細カレイの一夜干しだった。
なかなかの朝食だと思う。

 




 

(感想)

隅々にまで細やかな心配りされた素晴らしい宿だと思いました。
感性でいえば、女性好みの宿かもしれません。女将の「夢」が末端まで充分行き渡っているのでしょう。
トイレは滞在中ヒーターで暖められています。部屋は湿度の調整がなされていました。
洗面所では、アメニティグッズやタオル類に関して「追加が必要なら、お申し付け下さい」とのメッセージカードが置かれてありました。
新聞は「読売」「朝日」「毎日」「新潟日報」の中から選択できます。朝は新聞と一緒に天気予報を記したメッセージカードも付いていました。
二枚の浴衣の他にパジャマが用意されていましたが、とても着やすいものでした。
料理に関しても選択の幅を広くしてあります。
館内はスリッパなしでよいのですが、スリッパを希望する客のために清潔なスリッパが部屋に用意してありました。
スタッフは皆笑顔に溢れ、仕事を厭いません。質問してその場で答えられない時は、調べてきて即座に答えてくれます。
駐車場脇の門の所にはTVカメラがありました。客の到来をチェックしているのでしょう。
雪が止んだ時、宿の周囲の散策に出たのですが途中でまた雪が降り出してきました。門の所まで帰り着いたその時、若い女性スタッフが傘を抱えて小走りで迎えに来てくれました。

高級感に溢れているわけではありません、見てくれの派手さもありませんしかし宿全体が「もてなそう」という気持ちで統一されているのが良くわかりました。
帰り際には、「お結び」がメッセージとともに、お土産として渡されました。
お弁当も頼みましたが、とても美味しい味でした。



 

格式ある高級旅館というには今ひとつですが、充分満ち足りた気分にしてくれる宿でした。
次は、ローカル列車に揺られながら、夏野菜の美味しい季節に訪れてみたいものです。

2005年2月初旬訪問

著莪の里 ゆめや の予約の際の参考に