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憧れの旅館・ホテル

俵屋 楓

 

俵屋へ最初に訪れてから10年近くになる。
 http://abitaro.com/tawaraya/tawaraya.htm

その後は泊った部屋と料理を中心に書いてきたが、10年目ということで初心に帰り、俵屋を書いてみようと思う。
俵屋には灯が良く似合う。正確に言うと、灯と灯が造り出す影とが絶妙な趣を醸し出しているのである。
これはもちろん私の撮った写真ではない。プロの写真であるが、実に俵屋の雰囲気を現している。

 

私が日中に撮ると、こうなる。
交通量の多い小路なので、ゆっくりチャンス待てないという言い訳を。

 

 

ここで靴を脱ぐ。
奥に見えるのが坪庭。
スタッフの「お越しやす」の声と笑顔が実に心地良い。

 

これは写真集からの引用。
大晦日である。灯と影が素晴らしい。

 

今月の坪庭は、梅の花。
坪庭の右手にある廊下は本館。
手前を左手に曲がると新館へ通ずる。

 

季節ごとの花は、客の眼を楽しませてくれる。
坪庭の向こうに図書室がある。

 

図書室への部屋には雛飾り。
江戸後期の作とのこと。

 

図書室から雛飾りを見る。

 

坪庭の手前を左に曲がると新館への廊下。

 

すぐ右側には小さなギャラリー。

 

途中には小さな休憩室があり、中庭を眺めることができる。
庭の向こう側の簾のかかった窓は図書室。

 

 

今回は、新館二階の「楓」。

 

部屋に入ると正面に冷蔵庫。

 

中身は無料。

 

左手は和室。

 

正面右手はエントランス。
左は小さな和室。

 

部屋に案内されると、サボン・ド・タワラヤの香りがするオシボリ。

 

定番の蕨餅。

 

素晴らしく美味しい、お煎茶。
色も黄金色。

 

すっきりとしていて落ち着く部屋である。
テレビは地袋の中に。

 

床の間の掛け軸は「立ち雛」。

 

三月の室礼の一覧表。

 

押し入れを利用したクローゼット。

 

浴衣や羽織。

 

窓からは中庭が見える、

 

足元が一段下がっている。
ガラスには曇りひとつない。
どうやって磨き上げるのだろうか。

 

エントランスから右手には水回りスペース。

 

洗面台はシンプル。
右手奥はトイレ。

 

蓋や便座の開閉もリモコン。
宿やカフェ・レストランのトイレはこうあるべきだと思っている。
女性には理解しがたいかもしれないが、他人が使用した便器(特に便座の上げ下げ)を素手で触るのは不快極まりない。

 

俵屋オリジナルの多いアメニティ。

 

出っ張りの手前は脱衣スペース。

 

狭い浴室であるが、上手く造ってあり、さほど狭さは感じない。
真下の部屋の「松籟」と同じ造り。

 

いつのまにか自動の装置になっている。

 

ガラス戸は引き戸となっていて、半露天の雰囲気も味わうことができる。
ひとりがやっと入ることのできる狭い高野槇の浴槽であるが、井戸水の仄かな匂い、お湯の柔らかな肌触り、なぜか浴槽から出るのが勿体無いような思いを持つのである。

 

 

シャンプーとコンディショナー。

 

風呂上がりの一杯。
ボーッと庭を眺めたり、部屋の造りを眺めたり、いつの間にか時が過ぎていく。
ここでは「飯は、まだか〜」の思いは無縁なのである。

 

下に見えるは、「松籟」と「暁翠」の庭。
左手に僅かに見える広縁は、「暁翠」。

 

(夕食)

一階の部屋と二階の部屋では食事のランクが異なるが、一階仕様の食事にしてもらった。

 

まずは白酒。

 

酒はオリジナル「俵屋」。

 

今回の先附は秀逸であった。
とても手間暇のかかったものと思われる。
味も品が良く、酒を楽しむこともできた。

 

仄かに利いた昆布出汁、蛤の出汁と塩味。
薄味ながら、後味はしっかりと残る。

 

鮃昆布〆は絶品。甘みといい歯応えといい感激の味であった。
針魚も素晴らしい。

 

柚子醤油の味も素晴らしい。

 

しび鮪は、少しばかり青臭かった。
鮪の味には、色気が欲しい。

 

これは普通の醤油。

 

これまた美味しい酒粕仕立て。
黒胡麻一味が抜群のアクセント。

 

若筍は甘く、野蒜と諸味味噌はぴったり。

 

生臭さも無く、品の良い味の諸子。

 

東寺煮の湯葉・菜の花・葱・椎茸、すべてが美味しかった。

 

口直しには完璧な、すっきりさ。
針野菜のシャキシャキさが心地良い。

 

 

赤出汁も品が良く、美味しい。

 

この日唯一の不満。
漬物の味が辛すぎた。

 

香りの良い、ほうじ茶。

 

キーウィは甘さ不足。

 

コーヒーの味は、相変わらず素晴らしい。

 

今回の夕食は素晴らしかった。冴え渡っていた。
いままでの俵屋の夕食の中で、最高の出来だと思う。
京都で食べた料理の中でも、最高の部類に入ると思う。

 

(寝具)

 

俵屋定番のナイティ。

 

分厚い敷き蒲団。
リネン類の肌触りも良かった。

 

下から硬めのマットレス・綿蒲団・真綿布団の三層構造。
私には、少し硬すぎるか。

 

(朝食)

起き抜けに、フレッシュオレンジジュースかヨーグルト。
我が家はもちろん、オレンジジュース。
ここ俵屋とレ・セゾン以上のものには、未だお目にかかっていない。

 

 

焼き魚の選択は、文句無しに塩鮭。素晴らしい塩鮭である。
味噌汁は蜆。

 

私は湯豆腐を選択。
気分を変えて鍋仕立て。

 

 

相方は、揚げ出し豆腐を選択。

 

 

 

 

(アーネスト・スタディ)

オーナーの佐藤年さんのご主人、故アーネスト・サトウ氏ゆかりの部屋。
素敵な椅子と豊富な蔵書。

 

PCも使用可であるが、マックなので私には無用の長物。

 

左手の家具の裏側には水屋。

 

セルフサービス。

 

 

(感想)

10年の間に、本館一階では「富士」・新旧の「翠」・「栄」・「泉」、新館一階では「暁翠」・「松籟」。
本館二階は「桂」・「孔雀」、新館二階は「招月」・今回の「楓」。
新館三階は「茜」に泊った。
これらの中で、私の一番の好きな部屋は「松籟」、そして「泉」。
http://abitaro.com/koyo2008/koyo2008.htm
http://abitaro.com/kyotokouyou/kyotokouyou.htm

改装前の「翠」は大好きだったが、大好きな三和土にあった一枚木の大きなテーブルが無くなってしまってからは興味が失せた。
http://abitaro.com/midori/midori.htm

今回の「楓」も小振りながら落ち着ける部屋であった。
一方、期待外れの部屋は「暁翠」と「孔雀」。高額の宿泊料には見合わないと思う。
http://abitaro.com/gyousui/gyousui.htm
http://abitaro.com/09sakura/09sakura.htm

次回の訪問は晩秋を考えたが、希望の週末は既に満室。
仕方が無いので年末の週末を予約した。
部屋は人気の高い「霞」。本館二階の部屋である。

 

平成25年3月下旬訪問